今回は、「縄伸び」した土地の広大地評価について見ていきます。※本連載は、税理士法人オフィスオハナの代表税理士・吉野広之進の著書、『土地評価に係る現地調査の重要ポイント』(税務研究会出版局)の中から一部を抜粋し、土地の現地調査の重要ポイントをやさしく紹介していきます。

「広大地評価」適用前後の税額の具体例

前回の続きです。

 

【具体例】


A:縄伸びが確認される前の評価額 
 路線価30万円×400㎡=1億2,000万円


B:縄伸び&広大地による評価額
 路線価30万円×(0.6-0.05×520㎡/1,000㎡)×520㎡
 =30万円×0.574×520㎡
 =8,954.4万円


C:評価差額
 A-B=3,045.6万円の減額

財産評価基本通達における「広大地の評価」とは?

財産評価基本通達24-4(広大地の評価)


その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で都市計画法第4条((定義))第12項に規定する開発行為(以下本項において「開発行為」という。)を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの(22-2((大規模工場用地))に定める大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの(その宅地について、経済的に最も合理的であると認められる開発行為が中高層の集合住宅等を建築することを目的とするものであると認められるものをいう。)を除く。以下「広大地」という。)の価額は、原則として、次に掲げる区分に従い、それぞれ次により計算した金額によって評価する。

「路線価地域」「倍率地域」で異なる計算方法

(1)その広大地が路線価地域に所在する場合


その広大地の面する路線の路線価に、15((奥行価格補正))から20-5((容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価))までの定めに代わるものとして次の算式により求めた広大地補正率を乗じて計算した価額にその広大地の地積を乗じて計算した金額


(2)その広大地が倍率地域に所在する場合


その広大地が標準的な間ロ距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額を14((路線価))に定める路線価として、上記(1)に準じて計算した金額


(注)


1 本項本文に定める「公共公益的施設用地」とは、都市計画法第4条≪定義≫第14項に規定する道路、公園等の公共施設の用に供される土地及び都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)第27条に掲げる教育施設、医療施設等の公益的施設の用に供される土地(その他これらに準ずる施設で、開発行為の許可を受けるために必要とされる施設の用に供される土地を含む。)をいうものとする。


2 本項(1)の「その広大地の面する路線の路線価」は、その路線が2以上ある場合には、原則として、その広大地が面する路線の路線価のうち最も高いものとする。


3 本項によって評価する広大地は、5,000㎡以下の地積のものとする。したがって、広大地補正率は0.35が下限となることに留意する。


4 本項(1)又は(2)により計算した価額が、その広大地を11((評価の方式))から21-2((倍率方式による評価))まで及び24-6((セットバックを必要とする宅地の評価))の定めにより評価した価額を上回る場合には、その広大地の価額は11から21-2まで及び24-6 の定めによって評価することに留意する。
 

[図表1]広大地評価フローチャート

 

 

[図表2]税理士法第33条の2の添付書面の記載例

土地評価に係る 現地調査の重要ポイント

土地評価に係る 現地調査の重要ポイント

吉野 広之進

税務研究会出版局

土地の評価は千差万別です。評価してみたら、結果的に同額になる場合はありますが、すべての土地はそれぞれ違うものなのです。それだけに、土地の現地確認は、重要になってきます。「その土地が内包している問題点や特殊事情な…

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