価格に対する「以前の常識」が通用しない!?
絶対だとか、確実という言葉を使うのは非常にリスクがありますが、ニュージーランドでキャピタルゲインを得ることは絶対可能だと考えますか? このところ、筆者はワイカト地方の調査に時間を費やし、地元オークランドのマーケット状況を、自分でターゲットにしている地域以外頻繁にチェックしていませんでした。
そして今回久しぶりに、以下の3つの地域の物件視察を行い、時代の変化に驚いています。写真や実際の価格帯を交えて、現在の様子をご紹介したいと思います。
●オークランドシティーアパートメント
●郊外のアパートメント
●クメウの街
<オークランドシティーアパートメント>
筆者は、オークランド現地の日本語雑誌にも定期的にコラムを書いているのですが、ある日とある方から「記事を読んだ。投資をしたいのでオークランドで視察したい」という依頼が入りました。
そこで依頼者から希望など聞き、幾度か会話を交わしたのですが、「ご予算は?」と伺うと、ご不満があるのか一向に会話が進みません。値段が一桁違うのでしょうか?
私はコラムに、例えば1000万円相当の資金を日本で定期預金しているのであれば、オークランドのワンルームマンションを購入し、賃貸運営して資産を増やしましょう! と自分の体験談も踏まえてコメントしました。
しかし現在、1000万円で購入できるワンルームションはなくなり、あるとしてもリースホールド(土地借地権付建物)、賃貸利率は、実利益約4%という物件くらいです(それでもニュージーランドの現在の相場では良いほうなのです)。
そういった物件をお薦めすることもできるのですが、フリーホールド(土地所有可の集合住宅)の1LDKをお薦めしようと検索していたところ、とある不動産広告を発見し驚愕しました。以前は20万NZドル前後で買えたアパートメントが、38万NZドルの値で売りに出されていたのです。
コラムを書いた時期より前と比べると、物件価格に2倍もの差が出ています。この短い間に、ここまで高騰したのです。
シティー中心のアパートメントの価格は、35㎡、駐車場なしにも関わらず70万NZドル台で販売中です。オークランドの街の象徴でもある、スカイシティーのタワーが目の前のアパートメントですので、オークランド住人にとっては憧れの住居。
学生寮として投資家が買うにはリターンが良くないので、皆キャピタルゲイン狙いで購入していることでしょう。この界隈の物件は、一気に100万NZドルまで上がることも夢ではないかもしれません。
物件を購入したいなら「今すぐ」動き出すことが大事
<郊外のアパートメント>
実はこのアパートメント、老後の家として購入しようかと考えていた物件です。約3年前のプラン売りの際は、45万NZドル前後で販売されていました。しかし今では、77万NZドルで販売中となっています。
2LDK、それも広さ99㎡で駐車場1台付。館内には、プールやBBQ設備があり、市内のアパートに比べるとダントツ広いスペースであるため、筆者も心が動いたものでした。
<クメウの街>
クメウという街では、1000㎡以上の土地に豪華な一戸建てをぽつんと建て、ミニ牧場を営みながら田舎暮らしを楽しむという人が増えてきました。
上記の写真のような広大な緑の土地を見て憧れるものの、200万NZドルも300万NZドルもする土地を買うには、土地のゾーンを確認し、ライフスタイル用なのか、宅地造成開発が進んでいる土地なのかを調べる必要があります。このクメウの街も、住宅新興地として大きく変わりつつある地域なのです。
クメウといえば、日本人観光客もよく訪れる有名ワイナリーが点在するため、クメウ=ワイナリーというイメージを持つ方もいるかもしれません。オークランド市内に住んでいる者としては、週末の小旅行先という感覚です。
一見田舎のように思うかもしれませんが、ここ最近は高層道路が開通したり、大型ショッピングモールの建築・出店で、居住環境が非常に良くなりました。通勤・通学にもとても便利な場所となったのです。
以上3つの実例をもとに、オークランドの不動産相場が非常に上昇していることを説明しました。
3ヶ月〜6ヶ月と目を離した隙に、オークランド周辺の住宅価格はジワジワと上がり、どこの地域で建てるにしろ、新築物件は100万NZドルは必要となっています。110万NZドル、120万NZドルとびっくりするような価格で物件が販売されているのです。とあるセールスマンは、土地価格が異なるから安くなるはずなのに・・・とつぶやいていました。
私達は「不動産投資に興味を持った、まだ買えないけどいつ頃がいいでしょうか?」という質問に、即答で「今買いなさい」とよく言います。迷っている間に価格上昇が起こり、買いたくても買えない事態に発展してしまうためです。
田舎がどんどん都会になっていく様子は、非常におもしろいものです。投資家も、今動き出すことが重要なのです。