ハワイ不動産の「売買契約書」の見方⑤~コンドミニアム関連

前回は、ハワイ不動産の「売買契約書」のうち、情報開示義務等について解説しました。今回は、コンドミニアム関連の条項等について見ていきます。

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プロジェクト資料を確認し、管理費の妥当性を検討

今回は、ハワイ不動産の売買契約書の中でも、特にコンドミニアムの売買時に必要な条項について見ていきましょう。

 

⑮M-1:Contingency on Documentation Approval(文書の承認に関する未確定条件)

 

コンドミニアムの売買を行う場合、売主はプロジェクトに関する登記書類・管理組合の運営状況・直近の理事会の議事録等、売買対象のプロジェクトに関する文書一式を買主に提供する必要があります。こちらには、管理費の徴収状況や滞納状況、またプロジェクトの理事会で現在検討されている懸案事項等が記載されています。

 

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例えば、現在設定されている毎月の管理費が来年度から上がることが決定している場合など、理事会の議事録に記載されていたりします。購入後にそれは知らなかった、ということがないように確認をする必要があります。もちろん、その時点で確定していないものについては分かりませんが、プロジェクトを運営していくにあたって、年間の想定予算案は策定されています。それに対して、各住戸から徴収する管理費が十分か不十分かを判断できる情報が記載されていますので、その点は注意深く見る必要があります。

物件と共に賃貸契約を引き継ぐケースも

⑯N-1:Rental Documents(レンタル文書)


このN-1では、売買対象の物件が賃貸契約中であり、買主がその契約も引き継ぐ場合に選択します。売主は現在締結している賃貸借契約書の内容を開示し、買主はその内容の確認を行います。買主がその内容に対して承認をしない場合、解約が可能になります。

 

N-2:Delivery Possession of the Property at Closing(クロージング時点の引渡し)


このN-2は、売買対象物件の引渡しを、完全に空室の状態で行う場合に選択します。ハワイに自分の別荘を購入したにも関わらず、他の占有者がいては意味がありませんので、引渡し時には完全にクリーンかつクリアな状態で引渡しを行うことを条件とするものです。


購入を希望する物件が現在賃貸中だった場合、売主に対して引渡しまでに当該賃貸契約を解約し、クリーンな状態での引渡しを要求することになります。売主はその要求に従い賃貸契約の解約を行うか、解約が難しい場合には「カウンターオファー」という形で、売買契約成立前に賃貸契約の解約は条件としない旨を買主に通知する必要があります。

 

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Trump Tower WaikikiやThe Ritz-Carlton Residence Waikiki Beachのようなホテルコンド形式の物件の場合、レンタルに出すOwnerも別荘として使用するOwnerも共に存在するので、現在レンタル中の物件を別荘用に購入する場合には注意が必要になります。

 

売買契約書も後半にさしかかってきましたが、後半の条項は、実際の購入後のことも視野に入れた条項が増えてくることが分かるかと思います。米国の不動産取引は基本的に透明性が高いので、売買時に提供される情報量も相当ボリュームがあります。不動産売買に関して、売主は買主が良し悪しを判断するための情報をしっかりと提供し、買主はその情報を見て、自分の購入目的を満足させるものかどうかを判断する責任があります。そのため、買主側にReviewの権利がある条項には基本的に解約条項が付与されているのです。

 

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    株式会社Crossover International 代表取締役

    仙台第一高等学校、法政大学経済学部経済学科卒業。宅地建物取引士。
    2002年より某大手ディベロッパーにて一棟物件、区分所有物件の事業用不動産の販売を手掛け、2005年より中古不動産のバリューアップに特化した不動産会社の創業・ブランディング構築に携わる。2008年より株式会社Seven Signatures Internationalにおいて、主に米国ハワイのホテルレジデンス・ラグジュアリーコンドミニアムプロジェクトの日本の超富裕層マーケティングのセールディレクターに就任。2017年に株式会社Crossover Internationalを設立。

    WEBサイト http://www.crossover-international.com/

    著者紹介

    連載田村仁のホノルル不動産通信

    本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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