ニュージーランドの人口は、北部・セントラルエリア・西部・南部と場所を問わず増加し続けています。今回は、西部・南部エリアにスポットを当て、なぜ北部・セントラルエリアと同様に人が増え続けるのか、交通面といった生活で欠かせない要素を踏まえ、探っていきましょう。

電車、高速道路・・・交通網の発達が人口増加を後押し

連載第90回の記事では、北部・セントラルエリアの人口が増加した理由について説明しました。今回は、西部・南部エリアの人口が増加した理由を探りましょう。

 

まず大きな理由として、電車のルート・高速道路が改善され、交通の便が良くなったことが挙げられます。さらに、牧草地の宅地造成が進み、一軒家がお手ごろな価格で購入できるということで、西へ南へと、どんどんベットタウンが広がっていきました。

 

[図表1]電車・高速道路ルート改善・拡張

 

シティー中心のセントラル駅(ブリトマート)は、現在改装工事中。ルートの拡張工事が行われており、利便性はますます良くなる予定です。日本の交通網と比べれば小規模ではありますが、車社会からの脱皮も一部地域では可能になってきています。

 

交通網の発達により、ブリトマートから西はニューリン・ヘンダーソンまで、南はシルビアパーク、マヌカウ、パパクラまでと広範囲で行動ができるようになりました。

 

 

そして高速道路も、ウェストゲートまでの距離がとても近くなり、ワイナリーが点在する街クメウ、さらにはヘレンスビルへも行きやすくなりました。ホブソンビルの新興住宅地にも高速道路で行き来しやすく、さらには北部ノースショアまで行くことができます。一方、南方面はパパクラ及びワイカト地方、ハミルトンへの道も整備され、移動時間の短縮化が進められています。

 

またオークランド市内では、オークランド空港からオークランド市内中心部を通らずに西方面へ直行できる路線を作っており、完成間近という状況です。

 

 

このような駅、高速道路の出入り口に近い住宅地の価値は、徐々に上がってくるだろうと言われています。日本の場合、駅から徒歩5~10分以内のマンションだと価値が上がるというのは当然のことなのですが、ニュージーランドでは、市内を循環する電車はオークランドにしかなく、他の都市では未だに路面電車が走り、バスが公共移動機関として主に提供されている状況です。

 

現在オークランドでは、学生達がバスから電車通学に徐々に切り替えています。冬は雨が多いため、寒いなかバス停で待つより、電車の駅で待つほうがよっぽどましだということに加え、時刻表通りに電車が来るため、電車人気はますます高まりつつあります。

 

ただ、まだ1時間に2本、ラッシュアワー時でも3~4本しか電車がありませんので、日本の1分刻みのサービスとは、程遠い環境にあります。

各地に点在するショッピングモールも人口増の要因に

人が生活する上で、商店、銀行、医療機関は必要不可欠なものです。商店街が家の近くにあるかどうかは、家選びの重要なポイントとなります。

 

オークランド市内には、大型ショッピングセンターが住宅地に点在しています。西方面の街ニューリンには「リンモール」というショッピングセンターがありますし、ヘンダーソンにも大型ショッピングセンターがあります。

 

更に西には「ウェストゲート」。南は「マヌカウショッピングセンター」、市内に近い場所には「シルビアパーク」があります。電車でも簡単に行けるので、学生や、車を持たない人達も気軽に行けるショッピングセンターです。

 

 

人口は増加し続けていますが、電車の数、店の規模はまだまだ小さいので、日本と比較すると静かな街なのですが、そこがまた魅力的なのです。学区によって不動産価格が左右されるこの都市で、交通の利便性が向上し、商店街が充実したことで、マイホームや投資物件の購入を考える時代がやっと来たという感じがします。

 

「もうこの街は発展しきった」という声もありますが、まだまだ牧草地はたくさんありますし、世界各国から移民が来ることで、国際的な都市へと成長することができると考えています。

 

地元キーウィー(ニュージーランド人)流を大切にしながら、国形成をしていっている若い国ニュージーランド。この国が、今後どのようにどう成長していくのか、今から楽しみです。

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