書籍詳細

『9割の企業がはまってしまう 新規事業開発の落とし穴』

9割の企業がはまってしまう 新規事業開発の落とし穴

羽野 仁彦

出版社名:幻冬舎メディアコンサルティング

発行年月:2025年6月

新規事業開発の失敗には“型”がある!

なぜ新規事業が頓挫してしまうのか?
その“失敗の構造”を徹底解剖。

生成AIの登場に象徴される技術革新や不安定な世界情勢など、企業がおかれた経営環境は先行きを見通すことが難しい時代に突入しています。技術の進歩が目まぐるしく、また不確実性が増す現代において、企業が世の中の変化に対応し持続的な成長をしていくためには新たな収益源の確保、すなわち新規事業開発が不可欠になります。しかし著者は多くの企業が新規事業開発に苦戦しており、黒字化できずに撤退せざるを得なかったり、そもそも事業開始前に頓挫してしまったりと、思うような成果が出せないケースが少なくないといいます。実際、2023年にアビームコンサルティングが大手企業を対象に行った調査では、新規事業が中核事業にまで育った割合は3.2%にすぎません。

著者はリクルートで事業開発部門の設立に携わり、独立後も数多くの企業で新規事業開発支援を行ってきました。これまで様々な新規事業開発で成功と失敗を経験してきた著者は、新規事業開発が失敗に終わってしまう原因は、「斬新さ」を重視するあまり自社の既存事業やアセット(資産や強み)とかけ離れた計画を作ってしまうことや、事業開発の進捗に応じた適切な人材配置ができていないことなど多岐にわたるといいます。そして、こうした“落とし穴”は新規事業開発のさまざまなフェーズに潜んでいるため、そこに落ちないよう道筋を見極め、避けることがプロジェクト成功のカギになると述べています。

本書では、新規事業開発を「事業構想」「立ち上げ」「成長・拡大」の三つのフェーズに分け、それぞれの段階で陥りがちな“落とし穴”について著者の豊富な経験を基に解説しています。実際の失敗事例をもとに、どのような問題が潜んでいたのかを具体的に掘り下げ、さらにそれに対する現実的な回避策について解説しているほか、制度設計や人材配置、社内調整といった実務に役立つ内容も豊富に盛り込まれています。

これから新規事業開発を主導する人、計画を進めながら行き詰まりを感じている人にとって新規事業を成功に導くためのヒントが詰まった一冊です。

コンサルティングファームOmelette 株式会社
代表取締役

京都大学大学院工学研究科修了。株式会社リクルートの事業開発室の設立に携わり、ローカルサーチ事業「ドコイク?」「スゴイ地図」(グッドデザイン賞受賞)の立ち上げを経験。リクルートインキュベーションパートナーズの設立メンバーを経て、株式会社ブログウォッチャーを電通・東京工業大学と共同設立。ソーシャルリスニング事業、パーソナルログ活用事業の事業開発を主導。経済産業省情報大航海プロジェクト幹事、総務省次世代パーソナルデータ活用コンソーシアム幹事を務めたのち、当時のリクルートの事業開発部門であるメディアテクノロジーラボ所長に就任。その後、コンサルティングファームOmelette 株式会社を創業、ベンチャー企業のIPO、大手企業のサービス開発を支援している。

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