「あまりにも心臓に悪い…」転売目的で〈1億2,000万円・再開発エリアの新築マンション〉を買った40代医師…「絶対に値上がりする」と信じたが、待ち受けていた“想定外の地獄”【弁護士が解説】

「あまりにも心臓に悪い…」転売目的で〈1億2,000万円・再開発エリアの新築マンション〉を買った40代医師…「絶対に値上がりする」と信じたが、待ち受けていた“想定外の地獄”【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産価格の上昇局面において、竣工前の新築マンションを抑えて完成後の転売益を狙う投資手法が注目を集めている。しかし、楽観的な見通しに寄りかかると、思わぬ事態に陥りかねない。本記事では、陽なた法律事務所代表弁護士の松井竜介氏が、新築マンション転売に潜むリスクと、不動産投資で見落としがちな「出口戦略」の重要性について解説する。※個人情報保護の観点から、登場人物の情報を一部変更している。

転売益を目的に、40代勤務医が始めた新築マンション投資

「完成前に購入しておけば、引渡しのころには価格が上がっているケースもいまは珍しくありません」

 

勤務医として働くAさん(40代男性)は、安定した収入を背景に資産運用にも関心を持ち、新築マンションへの投資を検討していた。

 

紹介されたのは、再開発が進むエリアに建設予定の分譲マンションである。販売価格は約1億2,000万円。駅に近く、大型商業施設の出店も予定されていたことから、営業担当者は、「完成までに相場が上がる可能性があります」「資産価値も期待できます」と説明した。

 

建物完成までは約1年。そのあいだに価格が上昇すれば、引渡し後に売却し、転売益を得ることができる――。そう見込んだAさんは、短期間での売却益を前提として購入を決断した。

 

完成直前に判明した「想定外」

ところが、完成が近づくにつれ、当初の見込みは大きく揺らぎはじめる。

 

まず判明したのは、同じマンションを購入した人のなかに、Aさんと同じように転売を目的とする投資家が数多く存在していたことだ。完成後には同じマンション内の住戸が一斉に売りに出され、市場では競合物件が溢れる状況となった。

 

さらに、マンションの価値を押し上げると期待されていた大型テナントの出店計画も変更となり、購入当時に描かれていた街づくりのイメージにも変化が生じる事態に。

 

「完成すれば自然に売れる」というAさんのシナリオは、竣工の段階で完全に崩れ去ってしまったのである。

売れないあいだも毎月約43万円が出ていく…維持費の重圧

マンションの引渡しを受けると、フルローンで借り入れた住宅ローンの返済が始まった。毎月の返済額は約33万円。さらに、不動産の所有に伴う維持管理費が重くのしかかった。

 

・管理費:約3万8,000円

・修繕積立金:約1万6,000円

・固定資産税・都市計画税(月額換算):約5万円

 

これらを合わせると、売却できないあいだも毎月約43万円の支払いが続く計算だ。

 

「1ヵ月売れなければ約43万円、半年なら250万円を超える負担になる」

 

当初は「完成後すぐ売却するつもりだった」だけに、Aさんの焦りは日を追うごとに大きくなっていった。

次ページ売却価格を下げることに反対する仲介業者

※個人情報保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。

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