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驚異の利益成長と「利益の乖離」:営業利益16.6%増の光と影
中小企業実態基本調査速報は、まさに日本経済の屋台骨である中小企業の「最新の健康診断書」です。今回、公認会計士の視点で読み解くと、単なる数字の羅列の裏側に、力強い「回復の光」と、将来を揺るがしかねない「静かな危機の影」が鮮明に浮かび上がってきます。統計の深層から、経営者が今、肝に銘じるべき3つの真実を抽出します。
まず注目すべきは、中小企業の「本業で稼ぐ力」が劇的に回復している点です。
● 1企業当たりの売上高: 2.2億円(前年度比 6.9%増)
● 1企業当たりの営業利益: 907万円(前年度比 16.6%増)
● 1企業当たりの経常利益: 1,075万円(前年度比 8.4%増)
ここで特筆すべきは、売上の伸び(6.9%増)を倍以上のペースで上回る、営業利益の力強い伸長です。技術的な背景として、法人企業の売上高集計には「持続化給付金」や「雇用調整助成金」等の事業者支援関連施策が含まれていません(個人企業は含みます)。つまり、法人におけるこの売上増は、補助金頼みではない「純粋な事業回復」を意味しています。
しかし、専門家の眼でこの数字をさらに深掘りすると、ある「ギャップ」に突き当たります。本業の儲けである営業利益が16.6%増と跳ね上がっている一方で、経常利益の伸びは8.4%と半分程度に留まっているのです。
これは、営業外費用――すなわち支払利息の増加や為替変動によるコスト増などが、本業で積み上げた利益を少なからず浸食している実態を示唆しています。経営効率は向上しているものの、外部の金融・経済環境が「経営の足腰」に重くのしかかり始めている点は、看過できない事実です。
