「ニセ警察詐欺」の被害は拡大している
警察庁によると、2025年(令和7年)の特殊詐欺では、警察官などを装って捜査を名目に現金などをだまし取る「ニセ警察詐欺」が11,014件確認され、被害額は約1,005億円に上りました。特殊詐欺全体の被害額約1,423億円のうち、大きな割合を占めています。
「警察からの電話だから安心」と思い込むのではなく、お金の振り込みや送金、口座情報の提供などを求められたら、いったん電話を切って確認することが大切です。
知識は「いざ」というときの盾になる
詐欺電話を受けたとき、頭では「詐欺かもしれない」と思っていても、相手から強い口調で話されると、冷静に判断するのは簡単ではありません。だからこそ、普段から「こんな電話が来たらどうするか」を家族で話しておくことには意味があります。
たとえば、「お金の話が出たら電話を切る」「その場で判断せず、家族に確認する」「相手が警察や銀行を名乗っても、いったん確認する」といったルールを決めておくだけでも、いざというときの行動につながります。
詐欺から守ってくれた孫に、頼もしさを感じた瞬間
その日の夜、和子さんは翔太くんに電話をしました。
「今日ね、ばぁばの家におかしな電話がかかってきたの。でも、翔太が学校で聞いてきた話を思い出して、"これは詐欺なんじゃないか”って気づくことができたのよ。ありがとう」
和子さんがお礼を言うと、翔太くんは少し照れたような反応で「だから言ったでしょ。あやしい電話は切るんだよ!」と答えました。
和子さんは笑いながら、「翔太の言うとおりだった。本当に助かったわ」と伝えたそうです。
詐欺を防ぐためには、難しい知識を覚えておく必要はありません。家族や友人から聞いた何気ない話が、いざというときに自分自身を守ってくれることがあります。
「孫に教えてもらった知識が、大切な財産を守ってくれた」
生まれたときから見守ってきた孫の成長を実感し、和子さんは心強い気持ちになりました。
【専門家の視点】「少しでも迷ったら切る」をルール化
詐欺被害を防ぐうえで大切なのは、「自分はだまされない」と考えることではなく、だまされるかもしれない状況を想定して、あらかじめ行動を決めておくことです。突然の電話では、相手から不安をあおられることで冷静な判断が難しくなる場合があります。
「お金の話が出たら電話を切る」「その場で判断せず、家族や警察に確認する」といったルールを家族で共有しておけば、迷ったときの判断基準になります。警察庁も、警察官を名乗る不審な電話を受けた場合は、いったん電話を切り、警察相談専用電話「#9110」などに相談するよう呼びかけています。
今回の和子さんのように、孫から聞いた何気ない一言が、実際の被害を防ぐきっかけになることもあります。家族で「怪しい電話が来たら、まず切る」というルールを決めておくことは、大切な財産を守るための身近な備えといえるでしょう。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®
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