【FPが解説】翌年復活するのは「生涯枠」であって「年間枠」ではない
新NISAでは、商品を売却するとその分の投資枠(簿価・元本ベース)が翌年に復活します。しかし、ここで復活するのは、あくまで1,800万円という「生涯投資枠の空き容量」です。「年間投資枠(最大360万円)」が拡張されるわけではありません。
つまり、ヤスシさんがどれだけ前年に売却して枠を空けようと、翌年に新NISA口座で購入できる上限は「年間360万円」のまま。
結果としてヤスシさんは、せっかく非課税にするために特定口座から移した資金を、再び利益の約20%が税金として引かれる「特定口座」で運用せざるを得なくなりました。
すなわち、1年目の途中で「利益確定」の誘惑に負けて売却してしまうと、毎年360万円を投資する人にとって、その売却枠が再び使えるようになるのは「早くても6年後」という現実が待っています。
ヤスシさんの決断は、結果として自らの手で「数年分の非課税メリットをドブに捨てる」行為に他なりませんでした。
念のため補足すると、これは「毎年360万円の枠を使い切る人」のケースです。毎月の積立額が少なく年間枠に余裕がある方なら、翌年の360万円の枠内で再利用することは可能です。
しかし、一度現金化すれば、そこまで育っていた「複利効果」を自ら止めてしまうことになるため、枠の余裕にかかわらず安易な利益確定は避けるべきです。
