今回は、被相続人名義の「郵便貯金」等を調査する方法を見ていきます。※本連載では、税理士法人FP総合研究所 代表社員・税理士の山本和義氏の共著書『相続財産がないことの確認 ー見落としてはいけない遺産整理業務の要点』(TKC出版)の中から一部を抜粋し、相続税の申告義務の有無に関わらず必要となる、相続財産が「ないことの確認」の必要性について解説します。

貯金の調査可能な期間は過去7年分

ゆうちょ銀行

貯金事務センターでは、貯金の調査可能な期間は過去7年分(ただし、通常貯金の取引履歴は口座が特定されている場合は過去10年分)とされています。

 

ゆうちょ銀行の貯金額は、1人につき財形定額貯金等を除く貯金(通常貯金、定額貯金、定期貯金等)を合わせて1,000万円までとされています。そのため、貯金事務センターで預かり残高を管理するため名寄せされ、一括管理されています。

「家族名義の貯金の有無」についても確認しておく

相続税の税務調査で最も多く指摘を受ける「名義預金」については、被相続人名義の預貯金の残高だけでなく相続人名義の預貯金もチェックの対象となっています。そこで、課税庁は事前に貯金事務センターへ問合わせを行い、家族名義の貯金の有無と、その原資などを検証して名義預金等の判定を行っていると思われます。

 

そのため、被相続人名義の貯金だけでなく家族名義の貯金の有無についても確認しておくことが望ましいでしょう。貯金口座がない場合には「貯金調査結果のお知らせ」によって、「ない」ことの回答をしてもらえます。

 

なお、貯金がある場合には、貯金の種類及び貯金通帳等の記号番号などが記載された「貯金調査結果のお知らせ」が送られてきます。

 

かんぽ生命保険(簡易保険を含む)

かんぽ生命保険(簡易保険を含む)についても、かんぽ生命の各センターで簡単に加入の有無を確認することができます。また、相続開始前の満期や解約による保険金の受領状況も確認することができます。

本連載は、2016年12月刊行の書籍『相続財産がないことの確認 ー見落としてはいけない遺産整理業務の要点』から抜粋したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

相続財産がないことの確認―見落としてはいけない遺産整理業務の要点

相続財産がないことの確認―見落としてはいけない遺産整理業務の要点

山本 和義

TKC出版

高齢夫婦・高齢単身世帯が増加し、相続が発生した際に財産の有無を確認することが難しくなっています。また、特定の相続人が遺産の内容について開示しない場合、遺産争いに発展することがあります。相続税の申告にあたってはも…

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