(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

●日銀は大方の予想通り利上げを決定、国債買い入れについて来年4月以降の減額停止を発表。

●内田副総裁の会見で利上げ継続姿勢は確認も、次の利上げ時期の明確な手掛かりは得られず。

●弊社は10月利上げの予想を維持、市場の年内利上げの織り込みも、この先もう一段進むとみる。

日銀は大方の予想通り利上げを決定、国債買い入れについて来年4月以降の減額停止を発表

日銀は6月15日、16日に金融政策決定会合を開催し、弊社を含む大方の予想通り、無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.75%程度から1.0%程度へ、25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げることを決定しました。なお、政策委員会の委員8名(植田和男総裁は入院中のため欠席)のうち7名が賛成票を投じた一方、浅田統一郎審議委員のみ、据え置きを求めて反対票を投じました。

 

今回は、国債買い入れの減額計画について中間評価が実施され、2027年1-3月期までは四半期ごとに2,000億円程度ずつ減額する現行の計画を継続し、2027年4月以降は減額を停止して月間2兆円程度の買い入れを行うことが決定されました。これについては、8名のうち7名が賛成票を投じた一方、田村直樹審議委員のみ、2027年4月以降も2028年1-3月期まで毎四半期2,000億円程度ずつの減額継続を求めて反対票を投じました。

内田副総裁の会見で利上げ継続姿勢は確認も、次の利上げ時期の明確な手掛かりは得られず

植田総裁に代わり記者会見を行った内田真一副総裁は、今後の金融政策運営について、「経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく」と述べ、利上げ継続姿勢を示しました(図表1)。利上げペースについては、当面は引き続き中東情勢を注視し、「経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら適切に判断する」とし、次の利上げ時期の明確な手掛かりは得られませんでした。

 

(出所)日銀の資料や各種報道を基に三井住友DSアセットマネジメント作成
[図表1]内田副総裁の主な発言骨子 (出所)日銀の資料や各種報道を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

また、日銀の政策対応が後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」については、「ビハインド・ザ・カーブに陥ることがないように適切に運営していく」と説明しました。中立金利については、「最新の推計値をみても相当なばらつきがある」、「短期金利を上げていく過程で、金融環境の変化ということを点検して、中立金利の水準を探りながら金融緩和の度合いを調整していくというやり方をしていくしかない」との考えを示しました。

弊社は10月利上げの予想を維持、市場の年内利上げの織り込みも、この先もう一段進むとみる

国内金融市場に目を向けると、株式市場では会合を無難に通過したとの声も聞かれ、日経平均株価は取引時間中に一時7万円の大台に初めて乗せました。一方、国債市場では、ビハインド・ザ・カーブを懸念する向きもあり、10年国債利回りは上昇(価格は下落)の動きがみられました。そして為替市場では、会合の結果は想定通りで材料は出尽くしとの見方も多く、ドル円はドル高・円安方向の反応となりました。

 

弊社は内田副総裁の発言における利上げ継続姿勢などを踏まえ、2026年は10月、2027年は3月と9月、2028年は3月に25bpずつ利上げが行われ、ターミナルレート(利上げの最終到達点)は2.0%に達するとの予想を維持します。翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む年内25bpの追加利上げは、83.8%程度の織り込みとなっていますが(図表2)、この先、織り込みはもう一段進んでいくとみています。

 

(出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
[図表2]市場が織り込む日銀の利上げ確率 (出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2026年6月日銀政策会合レビュー~内田副総裁が語ったこと【三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】【三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。

 

 

市川 雅浩
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
チーフマーケットストラテジスト

 

 

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