ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か――税制が映し出すアメリカの真実
奥村眞吾(著)+ゴールドオンライン(編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
法人設立のベストタイミングと注意点
集客や収入の安定しない段階においては、ひとまず個人事業主として届出をして、事業が軌道に乗ってきたタイミングで法人化に踏み出すという人も少なくありません。
会社設立をする「ベストタイミング」の目安には、以下の5つのタイミングと、法人化するうえでのメリット・デメリットがあります。
①年間所得が800万円を超えたとき
②年間売上が1000万円を超えたとき
③株式発行による資金調達を検討しているとき
④法人限定の取引先と契約締結を要するとき
⑤起業したいと思ったとき、社長になりたいと思ったとき
具体的に見ていきましょう。
①年間所得が800万円を超えたとき
所得とは、収入から必要経費を差し引いた額を指します。法人化の目安として年間所得が800万円といわれる理由は、800万円の所得に対して課される所得税率が23%であるためです。
個人事業主の所得税には累進課税(所得が増えるほど税率が上がる)が適用されているのに対し、法人税は一定で、資本金1億円以下の法人なら税率は一律15%です。このため、年間所得が700万円を超えたら法人化を検討し、800万円前後で法人化するのがよいといわれています。
②年間売上が1000万円を超えたとき
年間売上が1000万円を超えると消費税の納税義務が生じるため、法人化をするひとつの目安になります。
個人事業主の場合、2期前または1期前の特定期間(例:1月1日から6月30日)の売上が1000万円を超えた場合、翌年に課税事業者となります。このタイミングで法人化すると、法人の2年間の消費税免除が適用され、消費税の納税が一時的に免除されます。
法人化後は別の事業と見なされるため、個人事業主時代の消費税免除を引き継がず、法人設立後は最大2年間の免税が可能です(ただし例外として、人材派遣業や不動産貸付業など特定業種は、事業内容が消費税の適用免除の対象外となる場合があります)。
また、設立直後に大規模な資本が追加された場合、課税事業者の対象となるケースがあります(ただし、資本金が1000万円を超えない範囲でも特例措置が適用されるケースもあります)。
そのほか、関連会社やグループ法人がある場合は消費税免除が適用されないケースもありますので、詳細は税理士などの専門家に確認しましょう。
③株式発行による資金調達を検討しているとき
資金調達のために株式の発行を検討している場合、法人化し、株式会社を設立する必要があります。株式を発行して投資家から資金を集めることが認められているのは、株式会社だけだからです。
株式発行で資金調達できれば、銀行からの借り入れだけに頼らず、事業拡大や新プロジェクトへの投資資金を確保できるため、成長性を高める大きな手段になります。外部からの資金調達を視野に入れるなら、法人化で株式会社を設立することが第一歩です。
④法人限定の取引先と契約締結を要するとき
ビジネスの場面では、取引先の方針や契約規約により、法人でなければ契約できない場合があります。特に大手企業や業界によっては、信頼性や取引の安定性を確保するために、契約相手が法人であることを求めることが多いです。
こうした会社との取引機会を得てビジネスチャンスを広げたい場合には、法人化が必要になります。
⑤起業したいと思ったとき、社長になりたいと思ったとき
起業をしたい、あるいは「自分が社長になりたい」と強く思ったときは、法人化をする絶好のタイミングです。登記することで会社は法人格を手に入れ、株式会社の登記簿には「代表取締役」と記載されて公示されます。
代表取締役として責任を持ちながら経営を進めることで、事業に対する意識はさらに高まるでしょう。会社にすることで信用力が増し、資金調達や取引の幅が広がるなど、ビジネスの基盤がより強固になります。
法人化のタイミングや基準はいろいろと語ることができますが、それよりもやはり、やりたいと思ったときこそがベストタイミングなのだと思います。
※ 本記事は書籍の内容を抜粋・掲載したものであり、最新の法令・制度とは異なる場合があります。実務にあたっては必ず最新の情報をご確認ください。
加陽 麻里布
司法書士法人永田町事務所
代表司法書士
【注目のセミナー情報】
【短期償却】5月9日(土)オンライン開催
《所得税対策×レバレッジ投資》
インフラ活用で節税利益を2倍にする方法
【相続×資産運用】5月13日(水)オンライン開催
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

