貸付制度も充実している小規模企業共済
前回、中小企業の経営者や個人事業者など、小規模事業の役員が退職した際に退職金代わりとして準備できる「小規模企業共済」について説明しました。
小規模企業共済の利用は節税以外にも様々なメリットがあります。たとえば、一定の条件を満たした加入者に対する事業資金の貸付制度なども充実しており、割安な金利でさまざまな貸付を利用することが可能です。
事業承継に関連した貸付もあり
以下、それぞれの貸付を見ていきましょう。
一般貸付・・・・・事業資金または事業に関連する資金を、簡単にそして迅速に貸し付ける制度。
傷病災害時貸付・・・・・疾病または負傷により一定期間入院したため、または災害などにより被害を受けたため、経営の安定に支障が生じた場合に事業資金を貸し付ける制度。
創業転業時貸付・・・・・新規開業・転業後に共済契約を再び締結する意思がある人に、新規開業などに必要な資金を貸し付ける制度。
新規事業展開等貸付・・・・・事業多角化のための資金、後継者が新規開業するための資金、事業多角化のための資金を貸し付ける制度。
福祉対応貸付・・・・・福祉向上のために必要な住宅改造資金、福祉機器購入などの資金を貸し付ける制度。
緊急経営安定貸付・・・・・経済環境の変化などで一時的に業績が悪化して、資金繰りに著しい支障をきたした場合、経営の安定を図るための事業資金を貸し付ける制度。
事業承継貸付・・・・・事業承継(事業用資産または株式等の取得)に要する資金を貸し付ける制度。
このように、小規模企業共済には、節税だけに限らずさまざまなメリットがあります。加入資格があるのに加入していない人は、ぜひ加入を検討してみてください。小規模企業共済は、過去にさかのぼって加入できない代わりに満期はありません。