年金28万円・資産潤沢・ローン完済で「老後は安泰」のはずだった71歳男性が、家計崩壊・夫婦関係悪化へ…友人に誘われた〈軽い暇つぶし〉の代償

年金28万円・資産潤沢・ローン完済で「老後は安泰」のはずだった71歳男性が、家計崩壊・夫婦関係悪化へ…友人に誘われた〈軽い暇つぶし〉の代償
(※写真はイメージです/PIXTA)

年金収入が安定し、住宅ローンも完済、さらに一定の資産がある――こうした条件がそろえば「老後は安泰」と考えがちです。しかし実際には、日々の選択や習慣が積み重なることで、想定していなかった形で家計が崩れていくケースもあります。支出のコントロールを誤ると、比較的余裕のある世帯であっても状況が一変する可能性があるのです。

「やめられると思っていた」状態からの逸脱

正一さん自身も、当初は「その気になればいつでもやめられる」と考えていました。しかし、実際には通う習慣は簡単には断ち切れませんでした。負けが続くと取り返そうとし、勝てばもう一度と足を運ぶ――その繰り返しの中で、冷静な判断が難しくなっていきます。

 

こうした射幸性の高い支出については、生活費への影響や依存性のリスクに注意が必要です。特に収入が固定される高齢期においては、支出の増加がそのまま資産の減少に直結します。

 

問題は家計だけにとどまりませんでした。良子さんは、支出の増加そのもの以上に、「相談なく続けていたこと」に強い不信感を抱いたといいます。

 

「お金の問題というより、話してくれなかったことがつらかったです」

 

その後、夫婦の会話は減り、家庭内の空気も変わっていきました。正一さんも状況の深刻さを認識しながらも、すぐに行動を変えることはできなかったと振り返ります。

 

最終的に、正一さんは家計の見直しとともに、通うことをやめる決断をしました。しかし、それまでに失われた資産は決して小さくはありませんでした。

 

「こんなはずじゃなかった、という思いが強いです」

 

総務省『家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果の概要』でも、高齢世帯は平均的に毎月の赤字を抱え、貯蓄の取り崩しで補っている実態が示されています。そこに追加の支出が重なれば、家計の持続性は大きく揺らぎます。

 

現在、夫婦は家計を共有しながら、支出管理を見直しています。関係も徐々に落ち着きを取り戻しているものの、「完全に元通りとは言えない」と正一さんは語ります。

 

「自由な時間が増えたからこそ、どう使うかが大事だったんだと思います」

 

老後の安定は、年金額や資産の多寡だけで決まるものではありません。日々の行動や習慣が、その基盤を静かに揺るがすこともあります。小さな「暇つぶし」の積み重ねが、やがて大きな代償となる――その現実は、決して特別なケースではないのかもしれません。

 

 

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