前回は、外国人旅行者や高齢者のニーズが一層高まる「都心」の物件を取り上げました。今回は、大学の都心回帰や一人世帯の増加など、都心の賃貸住宅に吹く追風について見ていきます。

「工場等制限法」の廃止で多くの大学が都心へ移転

下記の図表1のように今、東京23区の大学に通う大学生が増えています。これは、土地利用を制限する法律「天下の悪法」と呼ばれていた「工場等制限法」が2002年に廃止され、今まで制限されていた大学の建設が認められた影響です。

 

この法令改正で、都心にキャンパスを作った大学の応募倍率が軒並み伸びたことをきっかけに、他の大学も追随し、ここ10年で40件を超えるキャンパスが都心に移転しました。

 

学生側としてもプライベートの充実や就職活動のしやすさなどの理由で、通学するメリットと利便性が高まったと言えるでしょう。当然、キャンパスが都心に集中することで、そこに通う大学生は、通学しやすいキャンパスの近隣に住むことが予想されます。

 

大学はキャンパスを都心に戻すことで、学生からの応募が伸びることももちろんですが、キャンパス間の移動距離が少ないことで学校運営側のコストが抑えられるメリットもあるようです。大学の経営的な都合と学生のニーズの高さからも都心回帰は、今後も加速していくでしょう。

 

[図表1]23区に通学する大学生は増加傾向

 

女性の社会進出により、都心の入居需要はさらに高まる

晩婚化・未婚化は少子化社会において、大きな問題です。ワーキングプアと呼ばれる低賃金で働いている若者も多いことから、結婚に踏み切れないといった現状もあるのでしょう。さらに女性の社会進出が進むにつれ、男性に依存しなくても人生を送れることから、晩婚化が本格的に進んでいます。

 

今後も女性の社会進出は、さらに進んでいくでしょうし、図表2のように晩婚化・未婚化の流れは加速していくことが予想され、2030年には男性の約30%・女性で約25%が生涯未婚という予測結果が出ました。

 

[図表2]主因は晩婚化・未婚化の進行

 

晩婚化や未婚化は、少子高齢化にとって大問題ですが、ワンルームマンションのオーナーにとっては、メリットがあります。

 

一人暮らしの期間が長いということは、1人当たりの入居期間が長くなる傾向があり、オーナーの空室リスクが大幅に減るからです。このようなライフスタイルの変化により、都心のワンルームマンションの入居需要は高まっていると言えます。

 

どんなに優秀な不動産投資家でも賃貸需要を急激に高めることはできません。不動産投資は、賃貸がついてこそ、初めてメリットが出ます。そのため、賃貸需要が一番多い都心でマンション経営を行うからこそ、失敗する確率が大きく下がると言えます。今の時代、金融機関がつぶれてしまえば、ペイオフで預貯金は1000万円までしか補償されませんし、頼みの年金も今後はいくらもらえるかわかりません。増税や社会保障の負担増で今までのように暮らせるとも限りません。そのような状況下で、都心のマンションを資産として持ち、家賃収入を得ることは、賢い選択肢の1つと言えます。

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