国家公務員=「老後は安泰」とは限らない
国家公務員というと、一般的には「安定している」「老後も安心」というイメージを持たれがちです。しかし、実際の調査を見ると、必ずしもそうとは言えません。
人事院が公表した「退職公務員生活状況調査(令和5年)」によると、退職後の家計状況について最も多かった回答は「ゆとりはないが赤字ではない」で約4割。一方で、「時々赤字になる」「常に赤字で生活が苦しい」と回答した世帯も少なくありません。
つまり、退職後の公務員世帯でも一定割合が家計の赤字に直面しているという現実があるのです。また、同調査では「退職前に知っておけばよかったこと」として、年金制度、資産運用、税金や相続といった金融知識を挙げる人が多く、退職後に初めて老後資金の問題を実感するケースが少なくないことも明らかになっています。
老後資金は「資産額」より「使い方」が重要
老後資金の管理で重要なのは、「いくら持っているか」よりも「どのペースで使うか」です。退職金や貯蓄が多くても、支出の見通しが甘ければ資金は想像以上のスピードで減っていきます。
特に注意が必要なのが、住宅ローンの繰上げ返済や退職記念の旅行、年金受給前の生活費など、退職直後に集中しやすい支出。佐伯さんは、現役時代以上の生活を続けていたことを振り返ります。
「5,200万円あると思ったときは、なんだかずいぶん余裕があるように感じていました。でも、当たり前ですが使えば減っていく。少し浮かれすぎていたのかもしれません」
そう苦笑いを浮かべながら、こう続けました。
「私たちの“フィーバータイム”は終わりました。子どもたちに迷惑をかけないためにも、これからは身の丈に合った生活を心がけていこうと思います」
老後の安心は、職業や退職金の額だけで決まるものではありません。安定した職業だったとしても、資金計画を誤れば老後の家計は簡単に崩れてしまう可能性があります。
また「貯金が十分あるから」と60歳でリタイア。これ自体が問題なわけではありませんが、健康保険を全額自分で負担、住民税の支払いなどもあり、無収入のインパクトは想像以上というケースが少なくありません。
だからこそ、退職後ではなく、現役のうちから具体的な資金計画を立てておくことが重要だといえるでしょう。
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