大学時代の友人の「まさかのひと言」
小林彩さん(仮名・38歳)は、都内で夫と小学生の娘1人と暮らす会社員です。夫の年収は約650万円、彩自身はパート勤務で年収200万円ほど。世帯収入は平均的ですが、子どもの学費や習い事、家計のやりくりに追われ、思うように貯金ができませんでした。
彩さんには大学時代からの友人、沙織さん(仮名)がいます。結婚や出産の時期も近く、定期的に会う間柄でした。
彼女は学生時代から「お金がない」が口癖でした。ひとり暮らしでアルバイトを掛け持ちし、奨学金も借りていました。そのため、外食や旅行の費用も、自分が多めに払うことは自然なことと思っていたといいます。
結婚後も沙織は「お金がない」「母の面倒も見なきゃ」と悩みを口にしていました。彩さんはその言葉を信じ、会計などで多めに出すことが習慣化していたのです。ところが、10ヵ月ぶりに再会したある日、彩さんは衝撃の言葉を聞きます。
「実は、マンションを買ったんだ」
築浅で価格は約4,800万円。頭金は1,000万円用意したとのこと。嬉しそうな沙織さんを横目に、あれほど「お金がない」と言っていたのに、どうして家を買えるのか――。彩さんは耳を疑いました。
「お金ないって、ずっと言ってたよね。あれ嘘だったんだ」
「ないよ! 節約ばっかりで、使えるお金は本当になくて……」
これまで、沙織さんの「お金がない」という言葉を真に受けていた自分。マンションを買いたいけれど、お金のことを考えると踏ん切りがつかない。そんな悩みも抱えている中で、なぜ彼女のためにお金を使ってきたのか。彩さんは言葉が出なかったといいます。
