6年間で+600万円、その資産運用の内容
米国主要企業500社に分散投資。株価成長と円安で、約700万円(2.8倍)に。
安全性の高いドルの預金に近い商品。円よりも高い金利と円安で、約400万円(1.6倍)に。
妹はいいました。 「夫がね、『中身は同じ米国株や米国債なんだから、豪華な包装紙にお金をかけるな』って。一番コストが安いネット証券を選んだだけだよ」
ケイコさんはハッとしました。自分が「安心」だと思っていた銀行の看板や丁寧な接客、そして「保険」というパッケージこそが、実はリターンを削り取る「高い包装紙」だったことに気づいたのです。
FPが答える資産格差の正体
事実を直視したケイコさんは、後日、中立的な立場である独立系ファイナンシャルプランナー(FP)に相談しました。そこで学んだ格差の正体は、あまりに明快でした。
「保障」を混ぜるコスト
保険商品は「運用」と「死亡保障」のセットです。独身で自立しているケイコさんに保障は不要ですが、その維持費(手数料)は運用資金から引かれ続けていました。
契約初期に引かれる多額の手数料
一時払い保険は、契約時に数%の手数料が引かれるのが一般的です。500万円預けても、実際に運用に回るのは470万円程度から、ということも珍しくありません。せっかくの長期投資の複利効果が減殺されてしまいます。
エンジンの違い
ケイコさんの保険は主に「債券(利息)」で運用されていました。対して妹は「株式(企業の成長)」にも投資していました。2019年からの6年で、米国株式は約2.3倍に成長。この成長エンジンに乗れたかどうかが、400万円の差を生んだのです。株式はインフレにも比較的強いという特徴もあります。
食わず嫌いをやめた先に「資産形成の近道」がある
「ネット証券は『安かろう悪かろう』じゃなくて、単に『余計なコストを省いている』だけだったんですね」
ケイコさんは、円安のうちに高コストな保険を解約し、新NISAを活用した運用に切り替える決意をしました。解約控除(手数料)を支払うことになりましたが、「高い包装紙」の非効率な保険を続けることに比べれば安いものだと判断したからです。
「投資なんて胡散臭い」という思い込みは、実は自分から情報を遮断し、古い常識にしがみついていただけでした。
あなたの資産を本当に守り、育てられるのは、金融機関の知名度ではありません。「なんとなく」の偏見を捨て、コストとリスク・リターンを冷静に見極める。そんな小さなしなやかさが、10年後の自分を助けることになるのです。
桐山 昌也
株式会社ライトオブライフ
代表/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
