(※写真はイメージです/PIXTA)

家族の形が多様化し、人生も老後も長くなった今、親子関係は複雑な課題を抱えやすくなっています。親への期待や責任、老い・介護の現実が重荷となり、自分らしさを見失うこともあるでしょう。そうした閉塞感をほどき、親子それぞれが自分の人生を生きるための考え方が「親じまい」です。親じまいを考えるうえで最も重要なのが、親子の経済的自立。そこで、本記事では、島田裕巳氏の著書『親じまい』(宝島社)より一部を抜粋し・編集し、親子の金銭依存や相続制度の変化、そして増え続ける「負動産」について解説します。

「負動産」を残さないために――親子の生前対話の重要性

また、親が子どもに遺産を残そうとしても、そこには限界があります。生前贈与などさまざまな方法があり、それを指南するガイド本などもたくさん刊行されていますが、少なくとも、家一軒あった場合、それがそのまま子どものものになるわけではありません。相続人が複数であれば、なおさらです。

 

しかも、子どもに遺産を残すということが、かえって子どもにとって迷惑になることもあります。「不動産」をもじった「負動産」などはその代表でしょう。

 

負動産とは、それを所有していても、何の利益にもならず、維持費や税金ばかりがかかる空き家や農地、山林などのことを指します。

 

そうした負動産を残してしまうことは、子どもにとって迷惑でしかありません。ただし、負動産を残さないのは、意外と難しいことではあります。

 

負動産が地方の空き家である場合、そこには、亡くなるまで親が住んでいたはずです。ところが、子どものほうは都会で生活していて、故郷に戻り、実家で生活する意思はまったく持っていません。実家が売れるなら、処分して金を受け取ることもできますが、地方だと売るに売れないような物件もあります。

 

ただ、故郷の親は、その住宅に住み続けてきたわけで、そこが自分の死後、負動産になることにまで思いは及ばないことでしょう。現実的に考えても、生きている間にそれを処分してしまうのは不可能です。

 

これはなかなか難しい話です。親と子が、まだ親が元気なうちに、その家の将来のことを話し合っておくのが理想ですが、その機会を持つことは意外と難儀するものです。

 

親のほうは、自分が死んだ後のことについて話し合うことを好みませんし、子としても、その話を持ち出すことに躊躇します。それに、本当にその家にどれだけの不動産があるのかがわからないということもあります。

 

実は、それを私は最近経験しました。下の妹から連絡があったのですが、私たちの祖父が暮らしていた地元の市役所の人間が突然訪れてきたというのです。その市では、道路の建設を予定しているが、道路が通るところにある田の一部が祖父の所有になっているというのです。

 

祖父が亡くなったのは、今から60年以上も前のことで、生前の祖父はとっくの昔に故郷を離れ、東京で生活していました。妹など、祖父が亡くなったときには、まだ生まれてもいませんでした。市役所の人間は土地の図面を持ってきていましたが、祖父が所有しているのは本当に狭い区画でした。

 

いったいなぜ、祖父の所有なのか、今までそれがどうなっていたのか、まったくわかりません。しかし、そういうことが起こって、急に負動産にしかならない土地の存在が明るみに出るようなことさえあるわけです。

 

 

宗教学者/作家

島田 裕巳

※本連載は、島田裕巳氏の著書『親じまい』(宝島社)より一部を抜粋し・編集したものです。

親じまい

親じまい

島田 裕巳

宝島社

平均寿命が延び続け、認知症や高齢に伴う病気などで親の介護は誰もが悩み、もはや国民共通の頭痛の種。金銭や時間以上に精神的負担が重くのしかかっています。 なぜ子供が親の面倒を看ないといけないのか? 生涯独身、DINKS…

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