厳しい時代、老後を生き抜くために…“保守的”でありながら“新しい価値”も受け入れる「ナマケモノ戦略」という考え方【作家・佐藤優氏の提言】

厳しい時代、老後を生き抜くために…“保守的”でありながら“新しい価値”も受け入れる「ナマケモノ戦略」という考え方【作家・佐藤優氏の提言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

無理に攻めず、現実をありのまま受け入れながら、最小限の努力で生活を安定させる…いわば「ナマケモノ戦略」こそ、厳しい時代の今、定年を迎える世代に必要なマインドである――そう語るのは、作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏。本稿では佐藤氏の著書『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる』(飛鳥新社)から一部を抜粋・編集し、定年後のおカネと暮らしの考え方について見ていく。

定年後の「ナマケモノ戦略」

コロナ禍の自粛生活では、おカネをほとんど使わずに暮らせたことに驚いた人も多いだろう。とことん節約していると思っていた人も、コロナ禍のおかげで、実はさらに切り詰めることができると悟った。

 

おそらくこの経験は、コロナ禍が収束したあとの生活にも影響を及ぼすはず。それが厳しい時代に定年を迎える人の、いわば「ナマケモノ戦略」のヒントになる。

 

定年以降は、現実をリアルに見極めることが必要になる。これからも少子高齢化が加速する日本では、経済が縮小することを止めるのは難しいかもしれない。すると中流層は減少し、富者と貧者の二極化が進む。しかし、そうした状況を子細に分析し、自分の生活に取り込むことこそが重要だ。

 

「生活保守主義」を徹底しながら、守りを固める。そのなかで新しい生活の仕方や人間関係を模索する。守りに徹するためには、新しい価値観を受け入れる姿勢も欠かせない。つまり、「積極的消極主義」とでも呼ぶべきフロンティア精神が必要なのだ。それが、「ナマケモノ戦略」かもしれない。

おカネの問題で親族と争わないために

そして定年後の人たちが遭遇する生前贈与の話……そこには贈与税がかかってくるケースがある。

 

贈与を受ける額が年間110万円までは非課税。ゆえに、分割して何年かに分けて贈与を受け取る方法もある。また、孫が贈与を受け取る場合、目的が教育資金であれば、一人当たり1500万円までは非課税になる。

 

相続争いでストレスを抱え込まないようにするには、話し合いを事前にしておくことだろう。その結果を明示する書類も作成しておくべきだ。おカネの問題で親族との絆を失うほど虚しいことはない。

 

キリスト教徒の私は、貧困に陥っている人や健康に不安のある周囲の人の問題にも心を寄せるべきだと思っている。こうした人たちを社会が助けるのは当然である。人間は人間であるだけで、かけがえのない存在なのだ。

 

そのため、本当に困ったときには行政に相談して生活保護を受けてほしい。そうしたセーフティネットも日本には整備されており、これは誇るべき制度なのだ。

 

 

佐藤 優

※本連載は、佐藤優氏の著書『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる』(飛鳥新社)から一部を抜粋・編集したものです。

定年後の日本人は世界一の楽園を生きる

定年後の日本人は世界一の楽園を生きる

佐藤 優

飛鳥新社

知の巨人が、たどり着いた人生の最終結論 佐藤優が「定年後に特化した知の技法」をはじめて完全伝授。 「定年後が人生で一番楽しい」が手に入る! 定年後に「遅すぎる」は一切ない! 人生は晩年こそが華である! 「還…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録