画像:PIXTA

2025年1~9月期の飲食業界のM&A件数は84件と統計を取り始めた2000年以降で最も多かった。種類別でみると、最も多かったのは「戦略的売却型」のM&Aの数で46件と全体の5割超を占め、前年の5割弱を上回った。新型コロナウイルスの悪影響が薄れたことを受けて景気が回復。飲食業界の競争環境が厳しくなり、事業拡大や事業ポートフォリオの改善を目指したM&Aが増えている。10月に発足した高市早苗政権の政策期待を背景に、さらなる戦略的売却型(買収型)のM&Aが増えると期待する声も出ている。

本業以外の事業を売却して利益率を向上へ

飲食業界のM&Aを仲介するM&Aプロパティーズ(東京・新宿)が、全上場企業に義務づけられた適時開示情報などから、飲食を伴う店舗型ビジネスを飲食業界と定義し、同業界のM&A件数を計算した。

 

同社は飲食業界のM&Aを5つに分類している。

 

1)「戦略的売却型」は業態整理による売却代金を注力する事業に投入し、経営資源を集中することを目的にするM&A。

2)「事業承継型」は後継者不在の問題を解決することを目的とし、事業継続をすることができる。

3)「再生型」は第三者が協力して不採算の事業・会社を再生することを目的とする。

4)「ファンド売却型」は投資ファンドに売却するもの。

5)「資本業務提携、経営統合型」は事業会社同士の相乗効果による成長拡大を目的とする。

 

25年1~9月期に最も多かったのが「戦略的売却型」のM&Aで46件と前年同期の34件を大幅に上回った。全体に占める比率も54.8%を占め、前年同期の48.6%を上回った。景気回復を受けて個人の外食や企業の会食が増加したほか、日銀の超低金利を背景に買い手の手元資金も潤沢になっている。景気回復が続く中、自社の強みをいかして成長を加速させるために本業以外の事業や不採算事業を売却するケースが増えている。

戦略的売却型と事業承継型を合わせて8割超

次に多かったのが事業承継型のM&Aだった。前年同期比14.3%増の24件と全体の30%を占めた。飲食業界でも経営者の高齢化が進み、将来の経営や事業継続への不安から企業を売却する動きは続いている。戦略的売却型と事業承継型を合わせると8割を超えており、飲食業のM&Aはこの2つのタイプに集中しつつある。

 

3番目に多かったのが資本業務提携・経営統合型で9件と前年同期と比べて50%増加した。他社との連携を通じて競争力を強化しようとする企業も増えている。ファンド売却型のM&Aは4件と前年同期の半分に減少した。不採算の事業・会社の再生を図る再生型のM&Aは前年同期に続いて1件にとどまった。

※本連載は、ジャーナリスト・日高広太郎氏編集協力のもと作成しております。

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