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新卒で入社した企業は、退職代行であっさり退職
会社経営者を父に持つAさんは、不自由のない家庭で育ちました。実家は郊外にある立派な一戸建て。少し前まで、両親と28歳の兄との4人暮らしでした。
真面目な兄は父親の会社を継ぐべくして頑張っている一方、Aさんはというと……。Aさんは、都内の名門私立大学を卒業後、卸売業の企業に就職しました。しかし、外回りが多く、メーカーや小売業とのコミュニケーションにも難しさを感じ、わずか3ヵ月で親にも内緒で“退職代行”を使って辞めてしまいます。
その後は部屋に引きこもってゲームをしたり、友達と遊びまわったりとフラフラしていましたが、そんな生活態度に父親が激怒し「真面目に働かないなら家を出ていけ!」と一喝。
「いまはまだ働きたくもないが、そのうち家を出たい」と考えていたAさんは、そんな折、ネットで“1年目から年収2,000万円”という海外で働くITエンジニアの話を知り、“IT留学”について調べました。
IT留学とは、「プログラミング」と「英語」の2つのスキルが身に付けられる留学形式のことです。プログラミングは就活の際、興味があって就職先の候補だった分野ということもあり、「いまさらだけれど、本気で挑戦してみようかな」と考えはじめます。帰国子女だったため、英語にはまずまずの自信があったAさんは、両親に数百万円におよぶIT留学の資金の工面を頼み込み、両親も「このまま遊んでいるよりかは……」と、留学を許可しました。
2020年度から英語とプログラミングは、小学校からの義務教育化が始まっており、2025年度からは大学入試に「情報」の科目が追加されています。「これからはこの2つのスキルがより重要視されるんだろうな。年収2,000万円稼いで、もう父には頼らない」と豪語したAさんは、意気揚々と飛び立っていきました。