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相続時、隠していた本性を現す兄弟姉妹。遺言書の必要性とは
司法統計年報(2023年度)によると、家庭裁判所に持ち込まれた遺産トラブルの財産割合は、1000万円以下が33.8%、5000万円以下が43.8%となっています。いわゆる“争族”は、金持ち家族のなかで繰り広げられるものと思いがちですが、そんなことはないのです。一般的な家族の間でこそ起こっているのです。
兄弟姉妹の遺産トラブルは普通のこと
じつは、私の妻の身にも降りかかっています。2022年に義父が亡くなると、ある事実が発覚します。義父の預貯金が100万円にも満たなかったのです。葬儀後、義母は老人施設に入ることになります。その結果、預貯金はほぼゼロとなりました。その後、突然、妻のたった1人の姉が、「将来的に、親の家に住むから」と、宣言したのです。つまり、家を相続するというわけです。
親の財産を相続する際は、遺言書があれば、その指示に従うことになりますが、遺言書がない場合は「法定相続分による相続」か「遺産分割協議による相続」のいずれかを選択することになります。義父も義母も遺言書は書いていませんでした。
法定相続分は、子ども2人の場合で、2分の1ずつということになります。つまり、義母が亡くなった時点で、義姉は、何らかの形で、妻に2分の1の財産を渡す必要があるのです。義母には、蓄えはないのですから。
妻は「2分の1はいらない。でも、気持ちぐらいは……」と言っています。ということは、「遺産分割協議による相続」が現実的ですが、姉側からは何も言い出してこない状況が続いています。「家は分割できないんだから、仕方ないじゃない」というスタンスなのでしょう。
義姉は、持ち家があります。それを売って、実家に住む予定とのことですから、その売った利益のいくらかを渡す気持ちがあってもいいと思うのですが、そうした意思を示すことはありません。
2人の関係性は希薄のため、このまま「義姉=家を相続」「妻=何もなし」となるのかもしれません。妻が承諾せず、遺産分割協議が不成立となれば、2人の関係性は破綻してしまう可能性もあります。
