夫の収入ゼロにより家計はひっ迫、さらなる打撃も
もともとギリギリの計画ではなかったとはいえ、かな子さん1人の収入ではローン返済+管理費・修繕積立金+教育費(子どもたちの塾代や習い事)+生活費のフル負担は厳しく、赤字が続くようになりました。
さらなる打撃となったのが、かな子さん自身の心労です。会社では部下のマネジメント、新規プロジェクトの進行と、求められる業務は過酷さを増す一方。家庭では夫の通院の付き添い、息子・娘の進路相談、そして何より経済の不安がのしかかります。
睡眠時間は削られ、休日も気が休まらない。ついにある朝、通勤途中の駅のホームで動けなくなってしまい、会社を休職することになったのです。
休職中も給与の一定割合は支給されましたが、夫の復職の見通しが立たないことが不安の最大要因。多いとはいえない貯金を削りながらどこまでやっていけるのか……。
結局、かな子さんと夫は大きな決断をすることに。家計を圧迫する最大要因である、家の売却を決めたのです。
「一生住むつもりで買った家です。話し合いながら、夫婦で泣いてしまいましたね。何より子どもがガッカリするかなと思っていたのですが、彼らはすごく冷静で『健康が一番大切だから』って。本当にありがたかったです」
購入当時より市況が良く、結果的にはローン残債より高く売却できたため、経済的には救われました。現在は家賃の手頃な賃貸マンションで生活しながら、無理のない働き方へのシフトを模索しています。