ミャンマーでのビジネスはなぜ「対面」で行うべきなのか?

今回は、ミャンマーでのビジネスはなぜ「対面」で行うべきなのかを見ていきます。本連載では、日本ミャンマー支援機構で約300社の海外進出のサポートを行ってきた日本人アドバイザー・深山沙衣子氏の著書、『ミャンマーに学ぶ海外ビジネス40のルール』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、ミャンマー人の国民性や彼らのビジネス慣習などを紹介します。

「メールや電話」での交渉は信用できない

社会全体に出回っているお金が少ない国では、借りたお金を返さない、店のお金を持ち逃げする、偽装発注で会社のお金を持ち逃げするなど、あらゆる方法でお金を手にしようとするトラブルが後を絶ちません。

 

このような国でビジネスをしようとするなら、日本人同士のビジネスのような「無防備さ」をみせるわけにはいきません。仕事やお金が絡む取引で信頼できる関係を築きたいなら、「メールや電話」だけのやりとりを改めるべきです。

 

日本はインターネットやメール、電話サービスが発達しているため、日常からビジネスシーンにおいて、直接相手の顔を見なくても取引がスムーズに進行します。銀行サービス、ショッピングなど、お金に直接関わる信用取引すらも、相手の顔を見ずに行えます。

 

しかし、国が変わればインターネットや電話回線の環境に差がでてきます。ミャンマーでは現在もインターネット回線や電話回線状況が悪く、日本からメールを送っても接続不良で閲覧できなかったり、電話も途切れてしまうことがあります。ときには停電により、パソコンそのものの電源がダウンしていることも。つまり、メールや電話での交渉、取引は物理的にアテにならないのです。

「対面での取引」は逆に大きなビジネスチャンス

ミャンマーも現在、社会全体に出回るお金が少ない国のひとつです。銀行でお金を借りることが極めて難しい社会ですので、個人や企業間でお金のトラブルが発生しやすいのです。ですから、お金が絡む取引では、相手の顔を見ないで進行することは非常に無防備で、危険です。

 

日本から取引を希望して電話やメールで交渉をしても、「はいはい」と返事だけで一向に進展がなかったり、突然「こちらに来てくれたら詳細をお話しします」と言われてしまうこともあります。この回答は、「日本からミャンマーに来るほどやる気があるならば、話を聞いてもいい」という意思の表れです。

 

「こっちへ来いだなんて偉そうに……」と憤慨して、ビジネスチャンスを潰すか、「直接交渉のチャンス」と思い、一念発起してミャンマーへ赴くかは、みなさんの「やる気」次第でしょう。

 

今後、ミャンマーとのビジネスはコミュニケーションツールが便利になるにつれて、少しずつ変化していくと思います。しかし、がらりと急変する保証はありません。今のところ、対面での交渉がもっとも効果的なビジネスの進め方です。

日本ミャンマー支援機構 日本人アドバイザー

1979年東京都生まれ、神奈川県で育つ。
立教大学文学部心理学科卒業。
大学卒業後、マレーシアの国営企業日本支社で勤務。その後広告代理店、出版社勤務を経て、フリーライターになる。
2011年、ミャンマー人の難民として日本に来た男性(当時40歳)と結婚。
2012年4月にミャンマー支援機構を起業。ミャンマー人の日本におけるトータルサポート(就職・留学・法的手続き・書類作成・仕事紹介・住居紹介・観光案内)、日本企業や日本の行政機関のミャンマー進出及びサービス提供を行う。
現在までに、日本・ミャンマー・韓国・シンガポール企業などのサポートにおいて、300社の実績がある。

著者紹介

連載ミャンマー人と「ビジネス」をするための基礎知識

本連載は、2016年4月30日刊行の書籍『ミャンマーに学ぶ海外ビジネス40のルール』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

ミャンマーに学ぶ海外ビジネス 40のルール

ミャンマーに学ぶ海外ビジネス 40のルール

深山 沙衣子

合同フォレスト

双方の歩み寄りが未来を開く! 異文化地域とのビジネスは言葉以上のカルチャーショックだらけ。 この一冊に相互理解のヒント満載。 ミャンマーを中心に約300社の海外進出のサポートを行ってきた著者が明かす、円満海外ビジネス…

 

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