「教育費をつぎ込んだのに…」長女の将来の展望、納得できない
鈴木さんは、長女の学費と仕送りで月18万円ほどかかっており、家計は相当厳しい状況だ。そのような状況で、どうしても納得できないことがあるという。
「長女は来年の4月に卒業ですが〈卒業したらすぐ結婚して子どもをみたい、若いお母さんになりたい〉というんです」
同じ大学の先輩で、いま社会人1年目の男性との恋愛に夢中になっているというのだ。
「あれだけの教育費をつぎ込んで、この結末はどうなのか…」
しかし、妻の意見は違うという。
「〈初恋の相手と結婚できるなんて幸せ〉〈大手企業勤務の男性なら将来は安泰〉といって、手放しで応援している状況です」
当の長女は「結婚と出産を視野に、ワークライフバランスを考えて、ゆるく適度に働く」と余裕の構え。
「私、本当は〈結婚なんてまだまだ先だ、就職してしっかり働け〉といいたいんですが、間違っていますかね? 正解がわからない。本当に…」
卒業まであと1年。勉強はそつなくやっているようで、その点は問題なさそうだ。
「いまの私の小遣いは月1万円。缶コーヒーすら買うのを躊躇します。飲み物は主に、会社のウォーターサーバーのミネラルウォーター。でも、外回りの営業が飲み干してしまい、総務から〈週明けに届くまで待ってください〉いわれることもしばしば。絶望ですよ」
鈴木さんは今日もコンビニのおにぎり2個の昼食をすませ、正解のわからない疑問を胸に、一生懸命働いている。
[参考資料]
厚生労働省『毎月勤労統計調査』
文部科学省「令和3年度子供の学習費用調査」
文部科学省「令和3年度、私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
e-Gov『平成十六年文部科学省第十六号 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』
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