ロマンス詐欺による被害の実態
川村さんが引っ掛かったのは、典型的なロマンス詐欺。恋愛関係になったように振る舞い、お金を奪う特殊詐欺の一種です。
偽物のプロフィール、写真、人生を作り上げるのはもちろんのこと、数ヵ月~年単位でやりとりをして信用を得るなど、詐欺師は手間を惜しみません。また、「あなただけに話す」と家庭環境や金銭的な問題を伝えて、同情を引くケースも。
密にやりとりする相手のことを、人間は疑えないもの。相手から好意を感じていたらなおさらです。その心の隙をついて、詐欺師は財産を奪いにかかるのです。
警視庁が今年2月に発表したデータ(暫定値)によれば、2024年の特殊詐欺の被害額は721.5億円(前年より269億円増)、SNS型投資・ロマンス詐欺は1,268億円(前年より812.8億円増)。合計被害額は約2,000億円と、過去最高額になったとのこと。
SNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数は、大阪府が1,016件、次いで兵庫県913件、東京都871件、愛知県675件、福岡県663件、神奈川県537件、広島県345件の順。大都市圏を中心に被害が広がっています。
1件当たりの被害額は1,247.9万円と非常に高額なのも特徴。億単位で被害にあうケースもあります。さらに、ロマンス詐欺の場合は恋愛感情が絡み、精神的なダメージまで負ってしまうのも辛いところです。
警視庁は、対面でのやり取りがない人からお金の話をされたり投資の話に誘導されたりしたら、特に要注意と注意喚起をしています。詐欺被害が他人事ではないと理解し、「自分だけは大丈夫」という思い込みをなくすことが大切です。
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