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上司を尊敬するも「あーはなりたくない」と思う理由
なぜ尊敬する上司のようになりたくないというのでしょうか? その理由は本人をみればわかるといいます。
――毎日会うので最近まで気づかなかったんですが、がりがりじゃないですか。上司は元ラガーマンらしく、がっちりとした人だったんですが……
同フロアのなかでも「ちょっと変わったね」とひそひそ話。そして上司とはたまにしか目にしないであろう別フロアの社員からは、「えっ、あんな人(=痩せた人)でしたっけ?」と驚きの声があがるほどだといいます。
――私は定時主義なので知らなかったんですが、毎日、一番遅くまで残っているのは課長らしいです。休日出勤もしているとか。仕事ができるからと上層部からいろいろと頼まれることが多いらしく、仕事量がえげつないことになっているとか
このままでは倒れてしまう、と周囲は心配しているものの「大丈夫だよ」と返されて終わりだとか。
――仕事ができて、人がよくて。そんな人はいずれ潰れちゃう……会社って、そういうものなんでしょうか
田中さんは、むしろ「上司のようにはならないでおこう」というのが目標だといいます。
厚生労働省『令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)』によると、仕事等に関することで強い不安や悩み、ストレスとなっている事柄を抱えている人は全体の82.7%。「ストレス等を抱えている」と回答した正社員に、その内容を尋ねると、最も多かったのが「仕事の失敗、責任の発生等」といったプレッシャーによるもので42.9%。続く41.2%が「仕事量」でした。また、過去1年間の1ヵ月間の時間外・休日労働が80時間を超えた月があった人は全体の2.2%。年代(20~60歳未満)別にみていくと、中間管理職も多い40代が最も多く、80時間超えは全体の3.3%でした。
株式会社セルバが20〜40代に対して行った調査によると、7割が「出世を望んでいない」ということがわかりました。また「仕事とプライベートどちらが大切か」の問いには、50%が「プライベート」と回答し、「どちらも充実」が44%。「仕事」はわずか6%でした。
その人柄も相まって、プライベートを削って仕事に全振りしている佐々木さんの上司。周囲が心配するほど過重労働により激やせ……「あんな風になりたい!」と思える上司ではないというのも納得です。
[参考資料]