結婚のカタチは多様化し、必ずしも籍を入れることに拘らない人も増えていますが、それでも多くの人が「いつかは結婚」と考えています。しかし、ふたりのなかで「めでたくゴールイン」となっても、越えるべき高すぎるハードルはまだあるようです。
結婚は絶対許しません…〈月収35万円〉32歳サラリーマン、61歳母のお気に入りスイーツを持参も玉砕。思わず途方に暮れる反対理由に「親子の縁を切るしか」 (※写真はイメージです/PIXTA)

交際2年…給与アップにより進みだした結婚話

佐々木健太さん(仮名・32歳)。交際2年になる女性との結婚に向けて本格化。結婚の決め手は価値観が似ているところだといいます。

 

――お付き合いのきっかけは正直、容姿なのですが、結婚となると人柄や価値観が大切ですね。価値観の異なる方とは家族になれないと思っていました

 

ソニー生命保険株式会社が全国の有職の配偶者(20歳~39歳。事実婚含む)がいる20歳~39歳に対して行った『20代・30代共働き夫婦の生活意識調査』によると、結婚前の交際期間は平均3.1年。結婚の決め手で最も多かったのが「人柄」で49.3%。「価値観」が32.1%、「容姿」21.7%と続きます。男女別にみると、男性が女性を上回っているのは「容姿」(男性23.6%、女性19.8%)、「家事力」」(男性12.2%、女性11.0%)。一方、女性が男性を上回っているのは「人柄」(男性42.8%、女性55.8%)、「価値観」(男性30.0%、女性34.2%)のほか、「自分の家族との愛情」「仕事への理解」「相手家族の人柄」などは男性よりこだわる女性が多い傾向にありました。

 

お相手の女性は3歳年下。友人の紹介で出会い、結婚後も共働きを希望。子どもを持ちたいと考えているので、夫婦になったら家事分担は半々に。住まいは持ち家派……将来を話し合っているうちに、結婚像、家族像がとても近いことがわかり、早い段階から結婚を意識していたといいます。

 

ただ価値観が似ているだけでは結婚に踏み出せないもの。障壁をクリアする必要がありました。最も大きかったのは「お金」。

 

――夫婦共働きとはいえ、何かあって片働きになったときでも大丈夫、といえる給与をもらえるようにならないと決断はできませんでした

 

現在、大手メーカーで働く佐々木さん。月収は35万円ほどだといいます。厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマンの月収の中央値は30代前半で29.0万円。上位25%で34.3万円、上位10%で41.8万円です。佐々木さんは上位4分の1に入ります。給与が増えたことで、結婚に向けての精神的な障壁をクリアしたようです。

 

【一年以内に結婚するとした場合、何らかの障害か?】

結婚資金(挙式や新生活の準備のための費用)…47.5%

結婚生活のための住居…22.6%

職業や仕事上の問題…15.4%

学校や学業上の問題…13.8%

親の承諾…10.2%

親との同居や扶養…5.4%

※出所:国立社会保障・人口問題研究所『第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)』