老後の暮らしを支える「年金」の現実
それは、日本年金機構から届いた「ねんきん定期便」のハガキでした。これまで届いても放置して捨ててしまっていたそのハガキを、初めてちゃんと見てみようという気になった加藤さん。
そこには、このまま働き続けた場合の年金見込み額(年額)が書かれており、月あたりに換算すると15万円程度だったのです。
その金額をじっと見て、はじめて「これは相当厳しいぞ」と感じた加藤さん。月15万円では家賃と水道光熱費、食費だけで吹き飛んでしまいます。とても趣味どころではありません。
人と比べても低い年収ではないと考えていたので、無意識にもっともらえると思っていましたが、現実はそうではなかったのです。
それでも、この事実に今気づいてよかったと加藤さんは感じました。これに60歳を過ぎてから気づいたら、いったいどうなっていたのか……。
これまで使った金額を考えると「もしかしたら小さな家を買えたかも」とも思う加藤さんですが、後悔はしていません。しかし、これからは老後の事を考え、地道に貯金をしなくては気持ちを切り替えたといいます。
「手遅れにならなくてよかった」
もともと没頭しやすい加藤さんは、資産運用について猛勉強をはじめ、推し活もほどほどに楽しみながら老後資金を準備し始めたといいます。
会社員がもらえるのは老齢基礎年金6万8,000円+α
公的年金は2階建てで、自営業者がもらえるのは1階部分の老齢基礎年金のみ。会社員や公務員だった人は、それに加えて2階部分の老齢厚生年金を受け取れます。
2024年度の老齢基礎年金は満額の場合で月6万8,000円。一方、老齢厚生年金は現役時代の収入によって異なります。
下記は、厚生労働省の「令和5年 賃金構造基本統計調査」を基にして算出した年齢別の平均年収と、60歳までずっと平均年収を稼いだ仮定した場合の年金見込み額(老齢基礎年金+老齢厚生年金)です。
●年齢別の平均年収
20~24歳 344万8,500円
25~29歳 428万6,100円
30~34歳 484万2,700円
35~39歳 540万9,100円
40~44歳 581万円
45~49歳 613万800円
50~54歳 645万2,000円
55~59歳 660万9,700円
(厚生労働省『令和5年 賃金構造基本統計調査』より)
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●会社員だった人が受け取れる年金見込み額(一例)
月14万8,680円
※60歳定年まで上の平均年収を受け取った場合の老齢基礎年金(月6万8,000円) +老齢厚生年金(月8万680円)の合計額
いかがでしょうか? もちろんこれは一例ですが、「平均年収程度は稼いできた」と考える人にとって、十分満足できる金額とはいえないかもしれません。
金額が少ないと感じたら、年金生活に入る前に節約をしたり、資産運用をしたり、副業をしたりと手を打つことができます。そのためには、年金額の現実を知ることが必要で、そのきっかけになるのが「ねんきん定期便」なのです。
加藤さんほど趣味にのめり込んでいなくても、20代・30代と同じ感覚でお金を使い続けていたりすると、老後に苦しむことになるかもしれません。もし、ねんきん定期便なんて見たことない……という人がいたら、今年こそチェックしてみましょう。
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