(※写真はイメージです/PIXTA)

老後資金の形成に役立つiDeCo(イデコ)。掛金が全額所得控除、運用益は非課税、そして受取時も控除と、3つの段階で税制優遇を受けられます。本稿では、山中伸枝氏が監修を務めた『いちからわかる!新NISA&iDeCo 2025年最新版』(インプレス)から一部を抜粋・再編集し、税金を抑えながら賢く老後資金を準備する方法について詳しく解説します。

積立時・運用時・受取時…3つの「税制優遇」がある

iDeCoでは「積立時」、「運用時」、「受取時」という3つのタイミングで、手厚い税制優遇を受けることができます

 

積立時は、掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象となるため、その年の所得税と翌年の住民税の負担が軽減できます。働き方や収入によって変わりますが、年間数万円の節税になるなど、その効果は絶大。所得と掛金額に応じた金額が還付されますが、会社員なら原則、年末調整で、自営業なら確定申告での申請が必要です。

 

運用時には、運用益が全額非課税になります。通常、投資信託などの金融商品で運用する場合には、運用益に対して所得税・住民税など20.315%の税金が課されます。しかし、iDeCoでは運用益に対して一切税金がかかりません。そのため、利益が出た分はすべて自分の老後資産となるのです。同様に、分配金や預金の利息なども非課税となります。

 

また、運用益が出た場合、その分を再投資に回せば、複利効果で資産を雪ダルマ式に増やしていくことも期待できます。

 

出所:『いちからわかる!新NISA&iDeCo 2025年最新版』(インプレス)
[図表1]iDeCoの3つの税制優遇

 

受取方法にかかわらず税制優遇が適用される

さらに、受取時にも手厚い税制優遇が適用されます。老齢給付金の受取方法には、年金として分割で受け取る方法と、一時金として一括で受け取る方法、その両方を併用する方法の3パターンがあります。

 

受け取り時の税控除は、受け取り方によって、種類が異なります。年金形式で受け取ると「公的年金等控除」が適用され、公的年金の受給額とiDeCoの受取額を合計した金額から控除されます。税控除の額は65歳未満は年60万円、65歳以上は110万円まで。この金額を超えなければ税金がかかりません。

 

一括で受け取る場合は、「退職所得控除」が受けられ、税控除額は、iDeCoの加入年数により異なります。

 

iDeCoに加入できない人

ほとんどの人が加入できるiDeCoですが、以下の2つにあたる場合は例外です。まず、65歳以上の人は加入不可。また、国民年金保険の免除・納付猶予者も、iDeCoに加入することができません。なお、海外移住者は22年5月から加入が可能になりました。

 

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※本連載は山中伸枝氏が監修を務めた『いちからわかる!新NISA&iDeCo 2025年最新版』(インプレス)から一部を抜粋・再編集したものです。

いちからわかる!新NISA&iDeCo 2025年最新版

いちからわかる!新NISA&iDeCo 2025年最新版

監修:山中 伸枝

インプレス

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