(※写真はイメージです/PIXTA)

年金の受給時期を遅らせる代わりに受給額が増える「繰下げ受給」。受給額の増加は魅力的ですが、お得かどうかの判断が難しく、繰下げるべきか迷っている人もいるでしょう。そこで本稿では金﨑定男氏とAIC税理士法人による著書『会社が教えてくれないサラリーマンの税金の基本』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋・再編集し、繰下げ受給の基本や注意すべきポイントについて解説します。

繰下げ受給で加給年金・障害年金・遺族年金はどうなる?

加給年金との関係

老齢厚生年金を受給する際に、併せて受給できる加給年金という制度があります。65歳になった年金受給者に扶養家族である年下の配偶者がいた場合に、その配偶者が65歳に達するまでの間、当該配偶者分として加給年金という追加的な年金が支給されることになります。

 

その加給年金の金額は年間約40万円程度になるため、5年間で約200万円の追加的年金を受け取ることになります。

 

ただし、繰下げ待機中で老齢厚生年金が支給されていない人には、この加給年金は支給されません。また、加給年金部分には繰下げによる増額などもありません。

 

したがって加給年金を受給見込の方は、老齢厚生年金については繰下げ支給しないほうが有利であると考えられます。

 

障害年金・遺族年金との関係

66歳に達した日以後の繰下げ待機期間中に、他の公的年金の受給権(配偶者が死亡して遺族年金が発生した場合や、障害年金を受給することとなった場合など)を得た場合には、その時点で増額率が固定され、年金の請求の手続きを遅らせても増額率は増えません。

 

このとき、増額された年金は、他の年金が発生した月の翌月分から受け取ることができます。

 

 

金﨑 定男

AIC株式会社・AIC税理士法人・AIC社会保険労務士法人

統括代表

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※本連載は金﨑定男氏とAIC税理士法人による著書『会社が教えてくれないサラリーマンの税金の基本』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋・再編集したものです。

会社が教えてくれないサラリーマンの税金の基本

会社が教えてくれないサラリーマンの税金の基本

金﨑 定男・AIC税理士法人

日本能率協会マネジメントセンター

【内容紹介】 「株価は上がれど給料は増えない……なのに増税ばっかりで嫌になる」 「NISAとかiDeCoとかふるさと納税とか、やりたいけどよくわからない」 毎年収めるため本来は身近なはずなのに、知らないことが多い税金。…

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