繰下げの割合は1%台、繰上げのほうが断然多いという事実
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業年報」(令和3年度)によれば、繰下げ受給を選択した人は、国民年金(基礎年金のみの人)で1.8%、厚生年金では1.2%です。一方、繰上げ受給を選択した人は国民年金(基礎年金のみの人)で27.0%、厚生年金では0.6%という結果でした。
なぜ繰下げが進まないのか。その理由には、年金額が増えることにより社会保険料の負担が増加する可能性や、繰下げ期間中は年下の妻がいる間受け取れる加給年金が支給停止になる、仕事の収入を得る場合には在職老齢年金の関係で損をする可能性がある、といったこともあるでしょう。
しかし、そうしたことよりも、繰下げをして得をするためには、ある程度長生きしなくてはなりません。
「誰にも寿命はわからないので、多少金額が増えようが関係ない。もらえるようになったらきっちりもらいたい。繰下げなんて選びませんよ」
仮に70歳まで繰下げると、81歳まで生きなければ65歳から受給した時より得することはできません。また、繰下げをすれば年金を受け取るまでの期間は仕事で収入を得なければ完全な無収入になります。
また、こんな意見も聞かれます。
「繰り下げれば増額するなんて、餌で釣ろうとしてるよね。もし早く死んだら払わなくて済むから都合がいいんじゃないの」
「年金は保険だと考えるべき。もしもらえなくたって、それで普通に暮らせたら結果オーライでは?」という声もあります。多くの人がそう考えれば、長生きリスクへの対応策として、繰下げはもっと増えているでしょう。しかし数字を見る限り、そうではないようです。
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