争点は、日本の相続税法の落とし穴
この訴訟において問題の発端になったのは、日本の相続税法の「契約に基づかず、被相続人の死亡により取得する定期金」は相続財産だとみなすという条文(第3条第1項6号)があることによります。
日本の国税不服審判所は、米国の遺族年金の形態が上記の条文に該当するとして、妻が受給する遺族年金を相続税の課税対象であると判断しました。
日本の相続税法には、船員保険法の規定による遺族年金や、国民年金法の規定による遺族基礎年金等において、それらを非課税対象とする条文が存在します。
しかし、「米国の遺族年金には相続税が課されない」という条文は日本の相続税法において存在しないことから、課税対象とする判決が下されたのです。
つまりは日本で働いていた場合、本来非課税とされる遺族年金を、海外に移住し働いた者に限り課税対象にするというものです。
この判決は上告されましたが、そもそも米国は年金に対して一律非課税であることを考えると、はたして年金に課税する国を先進国といえるだろうか、と疑問が浮かびます。
税理士法人奥村会計事務所 代表
奥村眞吾
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