ハヤトさん・サツキさんのフォトウェディングのワンショットより

多様性が当たり前になるなか、従来通りの枠組みで結婚をする性的マイノリティの人達がいます。本来であれば現行制度における結婚は難しいにも関わらず、なぜ結婚という結論に至ったのか。お互いが性的マイノリティだという一組の夫婦から、結婚を選択せざるを得ない現実について考えていきます。

根強い古い結婚観の背景にある「戦後80年、変わらない法律」

本来、夫婦になるはずのないミナトさん、サツキさん。二人とも「子の結婚を望む親の圧」により結婚に至りました。なぜ親は子に結婚を望むのか。そこには旧態依然とした結婚観があり、戦後にできた婚姻制度の影響が大きいといえます。山村法律事務所の北畑素延弁護士に話を伺いました。

 

弁護士法人山村法律事務所 北畑素延弁護士
弁護士法人山村法律事務所 北畑素延弁護士

「第二次世界大戦後、日本国憲法が公布され、婚姻は『両性の合意のみに基づいて成立する』「婚姻および家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない』と規定されました。それを受けて1947年に民法は改正され、現在の婚姻制度の基礎となる部分が成立しました」

 

戦後、社会は大きく変わりました。特に昨今は多様性が認められつつあり、人々の意識にも変化が見られます。しかし婚姻制度の基本となる部分は変わっていません。

 

「現行の婚姻制度は戦後約80年間、日本国民にとって一定の指針となってきたといえるでしょう。ただ、戦後80年になろうとしている今、結婚観も多様化し、夫婦同姓を巡る議論も活発ですし、同性同士の婚姻を認めない法律規定は憲法違反という高等裁判所の決定も今年になって複数出ています。これは、婚姻制度に対する国民の意識の高まりが反映された結果といえます」

 

従来型の価値観や法律に縛られ、「結婚すべきか、それとも……」と苦しい思いをしてきた人達。現行の婚姻制度が始まり80年、社会が多様化するなかで、今後は法律のほうが人々の価値観に歩み寄る時代が来るかもしれません。

 

※この記事は、THE GOLD ONLINEとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。

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