不動産バイヤーの一番の腕の見せどころ
実際には、購入希望度が高いと確信した買い手に対して、別の買い手の存在をほのめかしながら、強気で価格交渉に挑みました。ただし、買い手が投資家でしたので、すぐテナントが見つかるように、管理マネージャーの紹介や、物件引渡し前の内覧など、協力的な姿勢で交渉を続けました。
結果的には、家主の最低販売希望価格を上回る金額で売却が実現し、二週間後に物件の引き渡しが決まりました。
この価格交渉は我々にとって、一番腕の見せどころでもあり、取引の山場でもあります。住宅ローンの金利が下がったものの、基準がまだ高いため、マイホーム購入にとっても金額交渉は重要です。
売主も、希望金額に固執せず、期待値を少し抑えることで合意に至りやすくなります。次の計画へと進むためにも、良い方向へと進むことを期待しています。
現在、市役所の評価額というものを基準にし、以前は、その金額の10~20%アップで市場価格は動いていましたが、近年は、逆に10~20%ダウンで動いています。
家の内装の状況、今後のメンテナンスがどれだけ必要かで、金額が前後するため、売る時は、やはり、お化粧直しが大事になってきます。お見合いと同じで、第一印象が物件の売買にも影響します。
具体的には、レンタル家具を入れて、印象をよくし、買い手の購買意欲を高めることなどができるでしょう。このレンタル家具の予算も安くはないので、先行投資を躊躇するもいますが、かけた分以上に戻るため、やっておいて損はないでしょう。
しかし、全ての家主がお金のかかるレンタル家具に同意されることはないので、私たちは、キッチンやバスルームをきれいにすることや、庭周りの雑草取りを行うことで、お金をかけずに物件の清潔感を保ち、そのうえでオープンホームを実行しています。
「売買を決めたらその瞬間に決める」
今回は、繁忙期における、売り手・買い手の葛藤をお伝えしました。物件購入は大きな買い物です。理由がどうであれ、この物件売買の結果次第で、その先の計画が決まっていきます。そのため、購入に踏み切れないということもあるかもしれません。
私が長年この業界にいて感じるのは、売買を実行したいと思った時、その瞬間に決めてしまうのが、結果的には一番タイミングが良いということです。今の売買状況に対して、「もう少し待てばよい買い手が来るのでは?」「絶対この価格帯以下では売りたくない」というような考えを持つと、必然と売れず、結果、チャンスを逃し、3か月経過しても、売れていない状況に陥り、最悪は固執していた金額より低いどころか、最初にもらったオファー価格より、今は、低い金額で世の中に告知をする羽目になり、時間も、資金もロスという最悪パターンになることが生じます。
新築物件で、定価が告知され、その価格を交渉することが少ない状況にある場合は、このようなことがあまり起きませんが、ニュージーランドは中古物件売買マーケットが占めるため、この時価の価格交渉が必至となります。
次の交渉も目前、12月中旬までニュージーランドの不動産売買は、活気に満ち、必死で日夜動きます。クリスマス・年末年始をどれだけ楽しく過ごせるかが、決まる時期です。
これから、家を売りたい人、家を買いたい人の参考になれば幸いです。
一色 良子
Goo Property NZ LTD 代表取締役社長
Arizto Ltd 所属
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