毎月のように報道される値上げのニュース。「材料費も人件費も値上がりしているから、仕方がないよな」と理解を示しつつも、値上げの手法によっては怒りや悲しみを与えてしまうこともあるようです。
ズルくないですか?手取り21万円・28歳サラリーマン「コンビニ弁当」でさえご馳走だが「上げ底弁当のステルス値上げ」に怒りの涙 (※写真はイメージです/PIXTA)

コンビニ弁当でも贅沢…いまどきの若手サラリーマンの生活

――最近、お昼はバナナ1本で我慢ですね

 

菊池颯太さん(仮名・28歳)。会社近くでバナナ1房を198円で購入。1房には大抵5~6本のバナナがついているので、1食あたり40円以下。さらにお茶のペットボトルを98円で購入し、お昼ご飯を済ませているのだとか。

 

月収は28万円ほど。住民税が1.8万円、所得税が7,000円ほど引かれて、手取りは21.5万円ほどになります。そこから月7.5万円の家賃、月2万円ほどの水道光熱費と通信費、月1.5万円ほどの奨学金の返済。日常品や服飾代、交際費、さらに結婚に向けてと自身に課した月5万円の積み立てを引いていくと、削れるのはやはり食費。できれば月1万円以内に収めたいといいます。

 

朝食は「食パン8枚切り98円」を毎日1枚と、「牛乳1パック238円」を1週間で飲み切ります。1ヵ月の朝食代は1,300円ほど。

 

昼食は「バナナとお茶」で1日あたり137円。1ヵ月3,000円ほどです。

 

1ヵ月の食費を1万円以内に収めるなら、夕食にかけられるのは月6,000円はありません。1食あたり200円以下。これで何が食べられるのかというと、少々眩暈がしてきます。

 

――卵かけごはんや納豆ご飯が定番ですね。健康を考えて野菜が食べられるといいのですが……最近は高くて

 

残業で遅くなった日はお米を炊くのは億劫で、ついつい高くてもコンビニ弁当に頼ることも。

 

――月に数回でしょうか。自炊をしたら安く済むのに……贅沢していると罪悪感を抱く一方で、普段とは違って「おかず」がある。すごく幸せな気分になる

 

そんな状況のなか、怒りを覚えるのはステルス値上げだといいます。いわゆる価格は変えず、内容量を減らすという値上げ手法で、某コンビニではお弁当の底上げ容器が「ステルス値上げではないか」と炎上中。菊池さんは「物価高のなか、何とか価格を維持しようと工夫をしているのだろう」と理解を示しつつも

 

――やっぱり、ズルいですよね。見た目ではわかりにくくて、「あれっ、ご飯これしか入っていない」と途中で気づく……すごく悲しい気分になり、幸せな気分が台無しです

 

コンビニ弁当。売り手が考えている以上に価値を感じ、幸せな気持ちまで抱く人もいます。どうか、この熱烈なファンをガッカリだけはさせないでいただきたいものです。

 

[参考資料]

厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和6年8月分結果速報』

総務省『小売物価統計調査』