サラリーマンであれば誰もが憧れる、高給取りのエリートサラリーマン。給与が高ければ老後に受け取る年金も高額で、すでに人生、勝利が確定したようなもの……というわけではないようで、少数派ながら日々ひーこら言っている人たちもいるようです。
バカなことをした…〈退職金3,000万円〉〈年金25万円〉元エリート商社マンの70歳男性。羽振りのよい現役時代から一転「家電は主電源からオフ」「風呂の水は洗濯に再利用」の節約生活を送るワケ

元サラリーマンの年金受給額…上位10%で月22万円以上

昨今、「NISAだ!」「iDeCoだ!」と、やらなければ老後は生きてはいけないという勢いですが、老後の生活のベースになるのは、やはり公的年金。

 

厚生労働省『令和5年国民生活基礎調査』によると、高齢者世帯のうち「所得の100%が公的年金」という世帯が41.7%、「所得の80~100%」が17.9%、「60~80%」が13.9%。総所得の6割以上が公的年金という高齢者が7割を超えます。

 

だからこそ「いくら年金を受け取れるのか」は、多くの人が関心を寄せるところです。

 

厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢基礎年金受給者の平均受給額は5万6,316円。さらに老齢厚生年金受給者、つまり元サラリーマンや元公務員の平均受給額は、併給の基礎年金合わせて14万3,973円。65歳以上男性に限ると16万7,388円、10万9,165円です。

 

元サラリーマンの年金受給額の分布を見ていくと、月20万円を超えると上位25%、月22万円以上が上位10%に入ります。年金の繰下げ受給によって、年金受取額は最大84%増やすことができますが、元々のお年金受給額のベースが高いという人は、現役時代は高給取りのエリートサラリーマンだったということを示唆してます。

 

【厚生年金受給者の月年金受給額の分布】

~10万円未満…8.4%

10万~12万円未満…4.6%

12万~14万円未満…11.4%

14万~16万円未満…15.6%

16万~18万円未満…19.0%

18万~20万円未満…18.2%

20万~22万円未満…12.8%

22万~24万円未満…6.2%

24万円以上…3.9%

 

今年70歳になったという伊藤茂さん(仮名)。基礎年金含め、老齢厚生年金を65歳から受け取り開始したといいますが、その金額はというと……

 

――1回に50万円ほどだから、1ヵ月にすると25万円くらいかな

 

完全なる勝ち組です。