毎月のように報道される値上げのニュース。「材料費も人件費も値上がりしているから、仕方がないよな」と理解を示しつつも、値上げの手法によっては怒りや悲しみを与えてしまうこともあるようです。
ズルくないですか?手取り21万円・28歳サラリーマン「コンビニ弁当」でさえご馳走だが「上げ底弁当のステルス値上げ」に怒りの涙 (※写真はイメージです/PIXTA)

再び実質賃金マイナスへ…生活苦からの脱出は不透明

厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和6年8月分結果速報』によると、一般労働者の所定内給与*1は33万3,182円で前年同月比2.9%増と過去最高の伸びをみせ、また現金給与総額*2は37万7,861円で2.7%増とこちらは41ヵ月連続のプラスを記録しました。

 

*1:労働協約、就業規則等によってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によって 支給される給与でいわゆる基本給、家族手当、超過労働手当を含む「きまって支給する給与(定期給与)」から、超過労働給与を引いたもの

*2:賃金、給与、手当、賞与その他の名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働 者に通貨で支払うもので、所得税、社会保険料、組合費等を差し引く前の金額

 

一方で、令和2年平均を100とした際の実質賃金指数は、84.1で0.6%減。3ヵ月ぶりのマイナスとなりました。6月調査では前年同月比1.1%増と27ヵ月ぶりのプラスを記録、翌7月調査でも0.4%増と、給与高が物価高を上回る状態が続き、私たちの生活が楽になる兆しという専門家の声もありました。しかし、一時的に実質賃金がプラスに転じたのは、夏の賞与の影響が大きく、大半がベースアップには及んでいないよう。結果、私たちの生活は苦しいまま、というわけです。

 

とりわけ、値上げを実感するのがお米。令和の米騒動と、スーパーからお米がなくなる騒動から1ヵ月。スーパーには何もなかったように米袋が積まれていますが、騒動前と比べて大幅に価格はアップ。あちらこちらから悲鳴が聞こえてきます。

 

総務省『2024年9月小売物価統計調査』によると、米5kgの全国平均は3,038円。先月は2,650円、半年前の4月は2,228円と、この半年で36%も値上げ。庶民の食卓を圧迫しています。