定年で仕事を辞めることは、もはや当たり前ではありません。一方で、仕事を完全に辞める決意をしたあとの生活において、夫婦水入らず、というのも、もはや当たり前ではないかもしれません。
実は、お母さんね…退職金2,500万円・勤続38年の「サラリーマン夫」を支え続けてきた「60歳・妻」、定年退職を祝う家族団欒で飛び出した「衝撃告白」に激震 (※写真はイメージです/PIXTA)

何歳まで働く?個人の事情に合わせて決められる時代

正社員のほか、契約社員・嘱託社員、パート・アルバイトなど雇用形態はいろいろ。それにともない就業時間や頻度もいろいろ。全員がフルタイムで働いているわけではありませんが、高齢化、長寿化に伴い、高齢者であっても働く人は増改傾向にあります。

 

以前は定年と共に退職し、そこから老後けるが始まるというのが一般的でしたが、今はすっかり様変わり。定年は60歳であるものの、継続雇用により定年以降も働ように環境整備。働ける上限は65歳や70歳、さらには年齢の上限を定めない企業もあります。

 

総務省『労働力調査』によると、2023年度、男性の65歳以上の就業率は34.0%。高齢者の3人に1人が働いています。年齢別にみていくと、50代から60代にかけて7ポイント減少。原則年金を受け取り始める65歳を境に22.5ポイント減少。それでも6割の男性が働いています。70代を境に19.1ポイント減少。ここで働いている男性は半数を下回ります。

 

【男性の就業率の変化】

55~59歳…91.5%

60~64歳…84.4%

65~69歳…61.9%

70~74歳…42.8%

75~79歳…26.0%

80~84歳…13.8%

85歳以上…6.0%

 

何歳まで働くのか、どのような形態で働くのか……すべて個人次第という時代です。ただ定年で仕事を辞められるというのは、これから迎える老後に対して経済的な不安のない人たち。何とも羨ましい限りです。

 

山口悟さん(仮名)。先日、60歳となり、定年を迎えるひとりです。継続雇用の誘いもあったものの、大学を卒業して以来38年、十分働いたという思いが強く、「いったんは仕事から離れたい」という気持ちが強くありました。大学で同級生だった妻・恵子さんが、財布をしっかりと管理してくれたおかげで、老後の備えもバッチリ。そこに退職金2,500万円が加わります。2人いる子どもは二人とも社会人で、すでに教育費の心配はありません。

 

――もう必死に働かなくてもいいかな

 

そう考え、定年を機に会社を辞めることにしたといいます。