お金に苦労しない人生にするために、20代でできることは何でしょうか? ファイナンシャルプランナーの中村芳子氏は著書『【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと』で、お金の基本ルールを知ることだと主張しています。一体どんなルールでしょうか? 本書から詳しく紹介します。
多重債務に陥ったら、1日も早くSOSを
ここまで「クレジットカードは2枚まで」「リボ払いや分割払いは使ってはいけない」「キャッシングは絶対だめ」とお話しした。でも、すでに複数の金融機関のクレジットカードとキャッシングで、返済に苦しんでいる人がいるかもしれない。
気をつけていても、将来、何かの拍子に多重債務で苦しむことになるかもしれない。そんな時は1人で悩み続けず、1日も早く専門機関に相談することだ。ぐずぐずしない。いますぐ相談だ。
借金って相談しにくい。「自分が悪い」と感じてる人も多いから。貸す方の責任も大きいぞと私は思っている。多重債務が怖いのは、日に日に借金が膨れ上がってしまうところ。解決が1週間遅れると1週間分、1カ月遅れると1カ月分借金が増える。
絶対にやってはいけないのは、友人から借りて返済したり、友人に保証人になってもらって新たに借金することだ。問題に巻き込んで、大切な友人を失うかもしれない。市区町村の相談窓口や、各地の消費者生活センターでは、無料で専門家が相談に乗ってくれる。財団法人日本クレジットカウンセリング協会でも相談を受け付けている。
法テラスもある。有料だけど、弁護士や司法書士に依頼する方法もあるし、NPOなどが相談窓口を設けているところもある。これらの機関は、実行できる返済プランを考えてくれたり、有料サービスでは貸し手と交渉して返済の条件を変えたり、最終手段として「自己破産」の手続きをしてくれる。借金の問題は、専門家の助けで必ず解決できる。必ず解決できる。決して自殺してはいけない。
中村芳子
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャル・プランナー。アルファアンドアソシエイツ代表取締役。
長崎市出身。早稲田大学商学部卒業。
メーカー勤務を経て、1985年に独立系ファイナンシャル・プランニング会社MMIに転職。日本の女性FP第1号となり、ファイナンシャル・プランニング業務全般に携わる。
91年、友人と現在の会社を設立。個人向けのライフプラン、保険見直し、家計管理、資産づくりなどのFPコンサルティング 、金融記事の執筆・監修(単行本、新聞、雑誌など)、FP・金融セミナーの講師などをおこなっている。
1990年代から雑誌や新聞で家計診断の記事を連載し、1000件以上の実績がある。FPの視点から家計診断、家計アドバイスを行う第1人者。2008年ー11年は毎月、みずほ銀行のウェブサイト「おうちのおかね」で新婚カップルの家計アドバイス記事を掲載した。みずほ銀行には現在も不定期に家計アドバイス記事を提供している。女性向けのFP相談サイト「FPCafe」で2016年からWeb上のマネー相談を受けており、最も人気ある回答者と評価されている。
個人向け有料相談では近年、国際結婚カップルや海外在住カップル、同性カップルの相談が増えている。
12万部のベストセラー『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(ダイヤモンド社)や『結婚したら、やっておくべきお金のこと』など著書多数。
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