いい上司だと思っていても「あれ、この人いつも私の話をちゃんと聞いてくれているのかな?」部下として一度は抱いたことがあるモヤモヤした気持ち。上司が部下の話を「聞いているつもり」で、実は「聞いていない」ケースは意外と多いのです。本記事では、小川隆弘、氏による著書『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)から一部を抜粋・再編集し、1on1ミーティングで上司が陥る4つの落とし穴について解説します。
いい上司だと思っていたのに…部下の話を「聞いているようでまったく聞いていない」残念な上司の特性、4つ (※写真はイメージです/PIXTA)

3.要約:部下が話しおえたら要約して確認を取る

「最後に部下の話を要約しなければならない」といった意識があると、部下の話への集中度が自ずと高まります。部下が話しおえてから、「〇〇さんのいまの話は、〇〇の点について、こういうことも考えられる、ということだね。また、別の〇〇の点については、〇〇さんはこう思っていると僕は捉えたんだけど、あってるかな?」というように、上司の言葉で確認を取るのです。

 

上司側の理解があっていればよし。上司の理解が違っているときは、「いえ、そういうことではなくて、私がいいたいのは……」と訂正してくれることでしょう。こうした傾聴と対話のキャッチボールが上司・部下の意思疎通につながっていきます。同時に、「上司は私の話を、ちゃんと聞いている」と部下は感じ、共有度と安心感が高まることでしょう。

 

4.傾聴は苦手と自分を戒める意識をもつ

私たち日本人は上意下達のコミュニケーションに慣れているため、傾聴が苦手なことを肝に銘じておくと傾聴する意識がいっそう高まります。傾聴の落とし穴にハマっていることさえ気づかずに、傾聴しているつもりになっている場合もあります。それほど人とは相手の話を聞きながら次に自分がいうことを考えている生きものなのです。

 

これらのことをしっかり意識すれば、部下の話だけに集中でき、傾聴できるようになるでしょう。

 

 

小川 隆弘、

キャリアコンサルタント、コーチ、研修講師

 

※本記事は『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。