指示した仕事はコツコツこなすも、それ以上がない。会議では黙っている。自発的な行動をしない。……コミュニケーション下手の部下を持ち、手を焼く上司もいるでしょう。本記事では、小川隆弘、氏の著書『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)から一部を抜粋・再編集し、無口な部下との1on1での対話について、解説します。
「あっ、はい、なんとか…」「えーっと…」無口で引っ込み思案な部下を伸ばす上司が、会話中に“意図的に行っていること” (※写真はイメージです/PIXTA)

部下の語りが最優先

もし、あなたが「部下に語らせようとしてないなぁ……」と感じた場合は、いま一度「語ってもらう」を意識して1on1を見直してください。結論をいいますと、部下が話せば話すほど部下育成につながります。同時に、上司が話せば話すほど部下の成長にはつながりません。この点を強くお伝えしたいです。

 

ポイントは、部下に「話させよう、語らせよう」とする意識と工夫です。部下が語りはじめるのを待ち、傾聴する。これは慣れるまで、上司にとっては高いハードルです。最初は忍耐と場数しかありません。上司側が話す場面をできるだけ少なくするためにも、我慢すべきところは我慢しましょう。そのひとつが沈黙です。忍耐と場数は継続することでしか解決しません。ここはしっかり受け止めましょう。

 

上司側は我慢することも、いずれ慣れます。なぜなら、上司は部下の人数分1on1を実践し経験するからです。その分、上達もはやくなります。回数を重ねるほどうまくなるものです。安心して継続してください。

 

上司がかかる2大疾患

上司が陥る2大疾患があります。沈黙の対極にある上司の疾患です。それは「アドバイス病」と「説明病」です。心当たりはありませんか? 2つの疾患は傾聴の大敵。なぜなら、上司が話してしまっているからです。ということは、部下が話を聞く側にまわっていますよね。注意しましょう。

 

なお、営業部門ではびこる「数字詰め病」にも注意が必要です。あなた自身がこれらの疾患にかかっていないか、自己点検しましょう。チェック式簡易判定表でもある程度把握することも可能です。

 

 

小川 隆弘、

キャリアコンサルタント、コーチ、研修講師

 

※本記事は『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。