2025年問題とは?不動産価格が暴落すると言われる理由
それでは、なぜ不動産価格が暴落すると言われているのでしょうか。それには、「2025年問題」を解説する必要があります。
2025年問題とは、第一次ベビーブームに生まれた世代が2025年になると後期高齢者になり、それによって経済全体に大きな影響を及ぼすと言われている問題です。この2025年問題は不動産市場にも影響を与えると考えられており、不動産価格が暴落するといわれる大きな要因となっています。
ここからは、2025年問題によってどのように不動産価格が暴落するか、以下の理由について解説します。
- 少子高齢化によって需要が低くなるため
- 地方から都市部に移住する人が増えるため
- 空き家が増加しており供給数が増えるため
少子高齢化によって需要が低くなるため
出生率の低下により、新たに住宅を購入する若年層の絶対数が減少しており、新規の住宅需要を直接的に低下させる要因となっています。同時に、高齢者のみの世帯や単身世帯が増加し大家族世帯は減少しているため、大型住宅の需要が低下し、小型住宅やマンションへの需要が上昇しています。
さらに、不動産の相続に伴い相続人は売却を選択するケースが多くなっていることから、市場の需給バランスを崩す一因となっています。高齢化に伴う社会保障費の増大は個人の財政を圧迫し、不動産投資や購入のための資金が減少する可能性もあります。
ただし、需要の変化は緩やかに進行しており、市場がある程度適応する時間があります。また、都市部や人気のある地域では依然として一定の需要が見込まれるため、全体的な市場崩壊には至らないとする考え方が一般的です。
地方から都市部に移住する人が増えるため
地方から都市部への人口移動は、不動産市場に二極化をもたらしています。若年層の流出に加え高齢者も都市部へ移住する傾向が強まっており、これにより地方の人口減少が加速し、地方における不動産需要が急激に低下しています。この移住の背景には、充実した医療・介護サービスへのアクセスや、公共交通機関の利便性を求める高齢者のニーズも関係しています。
地方では、これらのサービスや公共交通の維持が困難になりつつあり、この傾向をさらに加速させています。車の運転が困難になる高齢者にとって、公共交通機関が充実している都市部は魅力的です。一方で、都市部、特に利便性の高い地域では、こうした移住者の流入により一定の不動産需要が維持されています。
この人口移動の結果、地方の不動産価格が下落する一方で、都市部の一部地域では需要が維持される可能性があります。そのため、全体としては不動産市場が二極化していくことが考えられます。
空き家が増加しており供給数が増えるため
高齢化と人口減少に伴い、空き家の数が増加しています。総務省の「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果 」によると、全国の空き家数は約900万戸(2023年時点)に達しており、これは総住宅数の13.8%に相当します。このような空き家の増加は、住宅供給が過剰になることを意味し、不動産価格の下落を引き起こすと考えられています。
しかし、空き家の増加は地域によって差があり、都市部や需要の高い地域では比較的少ない傾向にあります。また、政府や地方自治体による空き家対策も進められており、急激な価格暴落を防ぐ取り組みが行われているため、2025年に急落するとは基本的には考えにくいです。