近年、2025年に不動産価格が暴落するのではないかと不動産業界で話題になっています。しかし、本当に2025年に不動産価格は暴落するのでしょうか? 本コラムでは、こうした「2025年問題」の概要や価格暴落の可能性や、不動産購入を検討している方が取るべき対策について詳しく解説します。不動産価格の行方を左右する要因を理解し、適切な判断を下すための指針として、この記事をお役立てください。

不動産価格は暴落するのか?不動産価格が暴落すると考えられるケース

(画像:PIXTA)
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現在不動産価格が上昇している中、不動産価格が暴落するとも言われていますが、リーマンショックのような大きな金融危機が起こらない限り、基本的に不動産価格が急落することは考えにくいでしょう。むしろ円安や利回りなどを背景に海外からの投資需要が維持され、都市部の不動産を中心に引き続き投資が行われる可能性もあります。

 

ここでは、不動産価格が急落すると考えられる以下の3つのケースを解説します。

 

  • リーマンショックのような大きな金融危機が起こった場合
  • 日銀が金利を大きく引き上げた場合
  • 不動産取引に規制がかかった場合

 

リーマンショックのような大きな金融危機が起こった場合

2008年のリーマンショックは世界的な金融危機を引き起こし、不動産価格に大きな影響を与えました。同様の金融危機が再び発生した場合、不動産市場も大きな打撃を受ける可能性があります。金融機関の貸し渋りや信用収縮が起こると、住宅ローンの供給が減少し、購入需要が低下します。

 

また、リーマンショック時には、多くの人々が住宅ローンの支払いが困難になり住宅を手放さざるを得ない状況に陥りました。このような状況が再び発生すると、不動産市場に大量の売り物件が出回り、価格が急落する可能性があります。

 

日銀が金利を大きく引き上げた場合

2024年7月31日に、日銀は金融政策決定会合において0~0.1%としていた政策金利を0.25%に引き上げる決定をしました。こうした日本銀行(日銀)の金融政策も不動産価格に大きな影響を与えます。日銀が金利を引き上げると、住宅ローンの金利も上昇し、購入コストが増加します。これにより住宅購入者が減少し、価格が下落する可能性があります。特に、現在の低金利環境に依存している不動産市場にとって、金利上昇は大きなリスクとなります。

 

金利上昇は、住宅ローンを利用している人々にとって返済額の増加を意味するため、住宅購入を計画している人々が購入を躊躇し、市場全体の需要が減少します。結果として、不動産価格が下落することが考えられます。

 

不動産取引に規制がかかった場合

政府が不動産取引に対する規制を強化した場合も、価格に影響を与えます。例えば、外国人投資家の購入制限や住宅ローン規制の強化などが考えられます。このような規制が導入されれば、需要が減少し価格が下落する可能性があります。特に、投資目的での不動産購入が減少することで、価格に大きな影響を与えるでしょう。

 

規制の強化は、投資家の心理にも影響を与えます。投資環境が厳しくなると感じた投資家は、他の市場に投資先を変更する可能性があります。これにより、日本の不動産市場から資金が流出し、価格が下落することが考えられます。

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