近年、2025年に不動産価格が暴落するのではないかと不動産業界で話題になっています。しかし、本当に2025年に不動産価格は暴落するのでしょうか? 本コラムでは、こうした「2025年問題」の概要や価格暴落の可能性や、不動産購入を検討している方が取るべき対策について詳しく解説します。不動産価格の行方を左右する要因を理解し、適切な判断を下すための指針として、この記事をお役立てください。

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不動産価格は現在上昇中、その理由は?

(画像:PIXTA)
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現在の日本の不動産市場では、特に都市部での価格が上昇しています。この現象は様々な要因が絡み合って生じていますが、なかでも注目すべき3つの主な要因について詳しく解説していきましょう。

 

  • 円安の影響により海外からの不動産購入が増加したため
  • 建築資材価格や人件費が上昇しているため
  • 低金利が不動産購入の意欲を後押ししているため

 

円安の影響により海外からの不動産購入が増加したため

近年の円安傾向は、日本の不動産市場にも大きな影響を与えています。為替レートの変動により、外国通貨の購買力が相対的に高まり、海外投資家にとって日本の不動産がこれまで以上に魅力的な投資先となっています。

 

また、ヨーロッパやアメリカ、中国などといった各国の不動産市場との比較において利回りの面からも日本の不動産が選ばれやすくなっています。

 

日本の不動産市場の魅力は、単に価格や利回りだけではありません。政治的安定性、整備された法制度、高品質なインフラ、そして将来性のある技術投資など、多くの要素が海外投資家を引き付けています。特に、都市部の高級物件や収益不動産、さらには観光地の不動産なども注目を集めています。

 

建築資材価格や人件費が上昇しているため

建築資材価格や人件費の上昇も、不動産価格が高騰している理由の1つになります。

 

日本は建築資材の多くを海外から輸入していますが、円安により資材の価格が急激に上昇しています。具体的には、木材や鉄鋼製品、アルミニウム、セメントなど。様々な資材が影響を受けており、これが建設コスト全体を押し上げる要因となっています。

 

さらに、建設業界では慢性的な職人不足によって人件費が上昇。少子高齢化や建設業の厳しい労働環境、他業界との競争などが影響し、若い世代の労働力が減少しています。

 

こうした要因が相まって、建築資材価格と人件費が上昇し、不動産価格の上昇を引き起こしています。これらのコスト増は新築物件だけでなく、既存物件の改修やリノベーションにも影響しており、中古物件の価値も間接的に上昇し不動産市場全体の価格上昇を助長しています。

 

低金利が不動産購入の意欲を後押ししているため

低金利により、住宅ローンの月々の返済額が抑えられるため、借り入れ可能な金額が増加しています。これにより、多くの人々がより高額な物件を購入することが可能となり、不動産市場全体の需要が増加しています。

 

また、低金利により銀行預金や国債などの安全資産の利回りが低下するため、投資家はより高いリターンを求めて不動産投資に目を向けるようになります。これにより、投資目的での不動産購入が増加し、市場全体の需要がさらに押し上げられます。

 

このように、住宅ローンの組みやすさと投資家の需要が相まって、不動産市場の需要が高まり、結果として不動産価格の上昇につながっています。特に都市部では、供給が限られているため、需要の増加が直接的に価格上昇を引き起こしています。

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