「介護が必要になった原因」最多は認知症
いずれ直面する介護問題。厚生労働省『令和5年 簡易生命表』によると、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性は87.14歳。比喩でもなんでもない人生100年時代が、もうそこまで迫っています。
長寿化に伴って避けては通れないのは、介護の問題。時間・資金繰りに余裕をもった準備をしたいところですが、そう上手くはいかないものです。
『令和4年版 高齢者白書』より、介護が必要になった原因について見てみると、最多は「認知症」18.1%。「脳血管疾患(脳卒中)」15.0%、「高齢による衰弱」13.3%、「骨折・転倒」13.0%と続きます。男女別に見ると、男性は「脳血管疾患(脳卒中)」(24.5%)、女性は「認知症」(19.9%)が多くなっています。
「誰に介護をお願いしたいか」への回答には男女差が
「介護する側」「される側」、双方への深い理解と支援が求められています。前述の調査にて、55歳以上の人に介護を頼みたい人について尋ねたところ、男性の場合は「配偶者」が56.9%と最多。「ヘルパーなど介護サービスの人」22%、「子」12.2%と続きます。一方女性の場合、最多となったのは「ヘルパーなど介護サービスの人」39.5%。「子」31.7%、「配偶者」19.3%と続いており、男女差が際立つ結果となっています。
では実際の数値はどうなっているのか。厚生労働省の『2022年 国民生活基礎調査の概況』より介護者の状況について見てみると、要介護者等と「同居」が 45.9%、「別居の家族等」が11.8%となっています。
主な介護者の内訳について見てみると、介護者は「被介護者の配偶者」が一番多く22.9%。次に「被介護者の子」16.2%、「事業者」15.7%、「別居の家族等」11.8%、「子供の配偶者」5.4%と続きます。
介護にかける時間は「ほとんど終日」が19.0%、「半日程度」が11.1%、「2~3時間程度」が10.9%です。また、要介護4では41.2%が「ほとんど終日」要介護5では63.1%が「ほとんど終日」と回答しています。終日介護に追われるような生活だと、介護者は趣味・娯楽を諦めることはもちろん、仕事を続けることすら難しくなってしまいます。