サラリーマンであれば、誰もが「給与アップ」を目指すものですが、手っ取り早い方法のひとつが「昇進」。ただ誰もが「出世コースを歩んでいきたい」と思っているわけではなく、さらには「昇進なんてするんじゃなかった……」と後悔する人も多いというのが、サラリーマン社会のようです。
課長になんてならなきゃよかった…大企業勤務・48歳のサラリーマン、年収「300万円増」で「1,000万円」の大台突破も大後悔のワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

上からも下からも…ストレスマックス!課長になって後悔しかない

このようにみていくと、年齢と共に仕事への価値観であったり向き合い方であったりは変化していくので、「責任」や「向き・不向き」を理由にした昇進への拒否感は薄れていくものの、どの年代も一貫して「昇進にメリットを感じられない」と考える人が4割程度いることが分かります。

 

その理由を紐解いていくと、そのひとつは「ストレス」が原因かもしれません。

 

同調査で正社員に「仕事上でストレスを感じているか」と尋ねたところ、「当てはまる」「やや当てはまる」の合計スコアで最多となったのは「課長級」で54.5%。「非管理職」は51.6%、「部長級」は49.7%。

 

課長に昇進し管理職になったものの、大きなストレスを抱えるようになってしまう……そんな上司をみて「昇進しても幸せになれないな」と思っているのでしょう。

 

ストレスの原因……長時間勤務!? それは違うようです。勤務時間41時間以上の比率をみていくと、「課長級」が45.1%、「部長級」が45.7%。また「常に忙しく、多くの仕事を行っていた」という実感値を尋ねると、「当てはまる」「やや当てはまる」の合計スコアで「非管理職」は41.5%、「課長級」は53.8%、「部長級」は61.9%。意外にも、役職があがるほど、忙しさは増していることがわかります。

 

課長のストレス。それは発言力や人間関係にあるようです。仕事上で感じることを課長と部長で比較すると、総じて課長が低いことは一目瞭然です。

 

●職場で自分の意見が取り入れられている

課長…43.7%、部長…62.9%

●上司や同僚に気をかけてもらえている

課長…43.9%、部長…53.2%

●職場の人間関係に満足感があった

課長…40.4%、部長52.3%

●職場に自分が成長するように励ましてくれる人がいる

課長…40.2%、部長54.1%

 

直属の部下からの突き上げがあれば、上からの押さえつけもあり、ストレスがかかることの多いと想像される課長。ここを耐えて、さらに部長になれば、環境が変わりストレスは低減されますが、部長の椅子は限られていて、誰もが部長になれるわけではありません。ずっと課長のまま……そんなケースも珍しくないでしょう。

 

――課長になんてならなきゃよかった

 

年収1,000万円の大台にのっていたとしても、後悔しているサラリーマンは多いようです。

 

[参照]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

株式会社マイナビ『マイナビ ライフキャリア実態調査2024年(働き方・キャリア編)』