子のいない夫婦のうちいずれかが亡くなると、残された配偶者が、亡くなった配偶者の親と財産をわけ合うことになります。なかには嫁姑の関係が相続に大きく影響するケースも。本記事では、Yさんの事例とともに子のいない夫婦の相続トラブルについて、社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。
子のいない夫婦、55歳夫が突然死。義母の口から出た「史上最悪の提案」…6,000万円の遺産をめぐり、涙を堪えた「50歳嫁の返答」【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

義母の史上最悪の提案に妻は

結婚当初Yさんは、気難しそうな義母であってもなんとか仲良くやっていこうと思っていました。しかし、子どもができないことをきっかけに、不仲となり、疎遠になってしまいました。そして、夫が亡くなると、相続の取り分をできる限り増やそうとする姑のがめつさに心底愛想が尽きました。

 

「亡くなった夫には申し訳ないけれど、義母とのかかわりを完全に断ち切りたいと思うことはいけないことでしょうか」とYさんは自問します。

 

揉めないためにと作成した遺言書の夫の想いは、義母に伝わることなく、妻は「義母の提案を受け入れるかわりに、生涯、自分の前に現れないでください」と涙を堪えながら返すことがやっとでした。

 

子どもがいたら、揉めることがなかったのか、そもそもお金が目的だったのか、自分への嫌がらせをしたかったのか、いまとなってはわかりませんが、これからは、夫との思い出の詰まった家を守りながら、穏やかに暮らしたいと涙していました。
 

 

三藤 桂子

社会保険労務士法人エニシアFP

代表