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経済成長目標2028年まで6.5~8%だが…国内問題山積み
7月22日に、マルコス大統領の3回目の施政方針演説(SONA:Stae of National Adress)が行われました。
フィリピンはサービス業と農業が主要産業であり、豊富な天然資源を持ちながらも製造業の基盤を築くことができていません。マルコス大統領は、演説内で、改めて農業セクターを強化し、製造業への投資を促進することをコミットしました。
マルコス大統領は、2022年以降20回以上の外遊を行い、インフラプロジェクトや再生可能エネルギー、大規模な農業事業に対する外国からの直接投資(FDI)を促進しようとしています。しかし、政府機関の官僚的な手続きが投資を妨げており、2023年4月には外国直接投資が前年同月比で36.9%減少。今年、1月から4月までの期間では、外国直接投資の純流入が18.7%増加したものの、依然として課題が残っています。
また物価上昇と食糧不安に対処するため、関税を引き下げる政策を実施していますが、これに対して農民団体は反発しています。たとえば、2028年まで米の輸入関税を35%から15%に引き下げる大統領令第62号は、最高裁判所で争われています。
さらに教育や人材育成の問題も深刻です。フィリピンの学生は数学、読解、科学の能力で世界的に低い評価を受けており、クリエイティブシンキングでも下位に位置しています。教育の質の低下を是正するための法案が両院で審議中です。
フィリピンの経済成長目標は2028年まで6.5~8%とされていますが、これに関して楽観的過ぎるとの指摘もあります。特に産業政策が不十分とされていて、農業、卸売・小売業、建設業に従事する労働者が低賃金で働いている現状は、第四次産業革命や人工知能をフィリピンの成長ドライバーにしようという動きに対する障壁となりかねません。
国内問題への対応は不十分でありながら、マルコス大統領の対中政策は評価されています。フィリピンは南シナ海での中国の領有権主張に直面しており、大統領は日本やアメリカなど伝統的な同盟国との関係を強化しています。特に、アメリカとの関係を再構築し、西フィリピン海での領有権問題に対して立場を強めています。
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